「〜〜〜ゃん、ぁっ、あぁ、もっと、してぇ、」
、何してほしーの。もっとはっきり言ってみな」
「ふぁあ・・・っ、ぁ、あ、あああ、ゃんっ、もっとぉ・・・・・・・っ」

可笑しそうに目を細めてる銀ちゃんの視線を感じながら、口でははっきり言えそうにない淫らなお願いをはしたなく強請る。 顔から火が出そうな恥ずかしさを涙ぐんでこらえながら、露わにされた全身をぎこちなく揺らして繰り返した。
――いくら体重を掛けてもびくともしない頑丈な腕に掴まって、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を鳴らして。 腰を前後に揺らしながら、甘えた声で啼き続けて――

「っ、ぎ、銀ちゃ・・・っ、これ、やぁ、おねが・・・くるし・・・っ」
「だめー。可愛いしきもちいーし後ろから眺めるだけで興奮すっけどー、ちゃんと言うまでしてやんねー。もっかいおねだりしてみろよ」
「ゃあ、そ・・・な、できな」
「出来ない、じゃねーよ。言ってみな、銀ちゃんイかせて、って」

ほら、言えよ。えっちなちゃんはこれだけじゃ気持ちよくなれねーだろ。
耳の中をくちゅくちゅ舐め回してるやわらかいものが、笑い混じりのからかい口調で責めてくる。
ぎゅっと掴んだ銀ちゃんの腕が、濡れた肌を撫でながらゆっくり下がっていく。 感じやすい太腿の内側に下りてきたその手にくすぐるような指遣いで触れられて、そのたびに走る甘くてもどかしい痺れがあたしの脚を震わせた。

「んっっ。ゃあ、やっ、・・・・・・ひ・・・んっっ」
「なぁ、イかせてほしーんだろ。なら言えよ、銀ちゃんもっと奥までちょーだい、のナカにいっぱい出してぇ、って」
「〜〜あぁん、ゃん、やだぁ・・・っっ!」
「はは、どーしたの。やらしーこと言われて感じちゃった?お前のナカぐにゅぐにゅ動いて止まんねーわ、もうイきそーじゃん」

かぁっと火照った目の奥からぶわりと溢れた涙の粒が、耐えきれない恥ずかしさでのぼせ上ったほっぺたをぽろぽろ転がり落ちていく。 だけど身体は熱い奥を物欲しそうにうねらせてるし、しがみついた腕に爪を立ててこらえても銀ちゃんを締めつけて感じてしまう。
――ひどい。ひどいよ。どうしてそんなこと言うの。何も知らなかったあたしをこんな身体にしちゃったのは銀ちゃんだ。銀ちゃんなのに――

「なぁ、言えよ。言えたらもっと可愛がってやるから」
「っく、っ、ふぇ・・・ぇ・・・っ、・・・・・・・・・っとぉ、銀ちゃあ・・・っ」
「ん、もっと、何。俺にどうしてほしーんだよ」
「〜〜っとぉ、ぎ、ちゃあっっ、ぉ、ぉく、ぐちゅぐちゅって、してぇ、っっ、きもち・・・く、してえぇ・・・っ」

笑いを堪えてるような低い声が頭の中で響くたびに、羞恥心が燃え上がる。頭が芯から痺れ上がって、ぼうっと意識が霞んでいく。
我慢しきれなくなったあたしは結局銀ちゃんの言いなりになるしかなくて、死にたくなるほど恥ずかしいことを口にしてしまった。 動き出した銀ちゃんに激しく揺らされてずぶずぶされて、「可愛い、、可愛い」ってうわごとみたいに繰り返す火照った唇に呑み込まれる。 恥ずかしすぎて耳や首筋まで真っ赤に染め上げて、子供みたいに泣きじゃくって――それでも前後にゆらめいてしまう腰の動きは、どうしても止められない。 好きな人の前でこんなことしたくないって思うのに、身体の中心を埋めてる大きなものにぐちゅぐちゅ擦りつけては快感に濡れた声を上げ続けた。
そのうちに両腕を掴み上げられて、銀ちゃんの首に腕を巻きつけるような格好にされて。 今にも前のめりに倒れそうだった背中が後ろへしなって、普段人に見せることのない脇を晒して、揺れる胸を自然と前に突き出してしまういやらしい姿勢にさせられた。 羞恥心を煽られてどうしようもなく恥ずかしいのに、それでもあたしは男の人の硬い腰に自分のお尻を擦りつけてはあんあん啼いた。
お腹の中にある煮え滾ったような熱の源を、じゅぷ、じゅぷって、蕩けきった粘膜ではしたなく何度も擦り上げて――

「んんっ、っあ、はぁん、やぁ、もちぃ、っっ、ぎんひゃ、ぁあ・・・っ」
「そんなに動くなって。銀さんまた出しちまうけどー、いーの」
「っ・・・!ゃ、もぉ、めぇ、あ、ぁかちゃ、できひゃ・・・っ」
「んぁー、まーな。これだけナカ出ししまくったら出来んじゃね。いいだろ出来ても、いいじゃん、なぁ」
「めぇ、めな、のぉ・・・!っ、ぁ、ああ」
「えぇー、んだよまたそれぇ?つーかよー、そんなに?そんなにやなの?孕まされんのが俺じゃ不満ですかコノヤロー」

耳元にふわりと吹きかけられたのは、ちょっと子供っぽくて拗ねてるような甘い声だ。
銀ちゃんとこんなやりとりをしたのも、不満そうに拗ねられたのももう何度目かわからない。 でも、何度言われても嬉しくなるし何度言われてもどきどきする。胸がきゅうって締めつけられちゃう。ああ、でも、でも――

「だ、だめぇ。ぁっ、めえぇ、っ」
「んだよ何でダメなんだよー。つーかよー、誰が悪いの誰が。 お前のことが好きで好きで昼間からヤりたくてたまんなかった野郎相手に、問答無用で孕まされるよーなこと口走ったの誰」

なぁ、どこのどの子だよ。言ってみな。
低くつぶやいた唇が、やわらかく首筋に吸いついてくる。
膝裏から脚を抱え上げてる腕が、ゆっくり上へと動いていく。 脚の間を通ってお腹に触れてきた大きな手が、その中を埋め尽くしてる自分のものを上から押さえつけるみたいにして力を籠めた。
っっ、って思わず息を詰める。お腹の裏側の敏感なところに、外から圧力を掛けられてる。 んっ、って悩ましげに呻いた銀ちゃんがさらに指先へ力を籠めると、あたしの中はさらに竦んで、銀ちゃんを締めつけてうねりを増して。
あんっ、って途端に声が跳ねて、囚われた腕の中で涙をこぼして震え上がる。

「〜〜〜あ、ぁ、ぁあああんっ。あぁ、やらぁ、それ、やぁあっ、っひ、ぅう・・・!」

身体の奥底から一直線にせり上がってくる、甘い快感に逆らえない。 髪を振り乱して仰け反っても、唇を噛みしめて我慢しても、鼻にかかったいやらしい涙声が漏れてしまう。
手で塞ごうとしたけれど、その手は途端に分厚い手のひらで抑えつけられて元の位置へ戻されてしまった。 喉の奥から突き抜けてくる、いやらしい喘ぎ声が止まらない。 中の銀ちゃんを締めつけてるのも、外から力を籠められた途端に吹き出すみたいな勢いで何かが奥から溢れ出したことも、認めたくないけれど感じてしまう。
お腹の上からぐっと抑えつけてくる手のせいだ。
自分の中でびくびく脈打つ熱いものの硬さや大きさを、おかしくなりそうなくらいに感じちゃう――

「だめぇ、だめぇ、おしっ、ぉしちゃ、あぁっ。ぎ、銀ちゃぁっ・・・っああっ」
「ほらわかる、これ。5回も出したのにまだガチガチだろ。 お前が煽ったせいであれから勃ちっ放しだからー、このガッチガチになったやつが大人しくなるまでお仕置きな。な、わかった?」
「ゎ、わか・・・なあっ、あっ、ゃらぁ、おくっ、らめっ、っっゃあ、あぁん」
「だめー。その声ちょー可愛いいけどやめてやんねー。さっき言っただろぉ、今日は銀さんがっつくって」

円を描くみたいにしてゆっくりお腹を撫でながら、銀ちゃんは何度か指に力を籠めた。
お腹の上から握り込むような手つきでぎゅうってそこを抑えつけられるたびに、身体の芯を痺れさせる電流みたいな刺激が頭の天辺まで突き抜けてく。 繰り返されるたびに何度も何度も、手足の先がびくんと高く跳ね上がる。
熱くてやわらかい唇の感触が、たまにくつくつ笑いながら背中を這い降りていく。 まるであたしの肌を味わうみたいに、舌で撫で上げたり吸いついたりながら、丹念に美味しそうに舐め回してた。
感じやすい背中に舌を這わされるだけでも身体はどんどん高まっていっちゃうのに、いつの間にか再開された律動に、じゅぶ、じゅぷっ、って真下から激しく突き上げられる。
奥を容赦なく叩かれて、そのたびに息が止まりそうになる。 速いリズムで擦られるたびに鳴り響く淫猥な音と手足まで震わせるような鈍い衝撃が、身体の中心を埋め尽くしていって――

「あ、あぁ!めぇ、やぁ、っっ!は・・・なしてぇっ、あ、あ、ああぁ!」
「なんで。お前が言ったんじゃん、銀ちゃん抱っこぉ、って」
「っんん、言っ、て、っっな、っあぁん!」
「言ったって。言っただろぉ昼間にここでー、とろーんとした可愛いー声でおねだりしたじゃん」
「はぅ、やらぁ、あぁ、またっ、ぃっ、いっちゃ、っっぅ!ぁあ、ああ――・・・っ!」

最初は苦しくて涙がこぼれて、いや、いや、ってかぶりを振って拒んだのに――銀ちゃんに教え込まれた気持ちよさを、身体はもう隅々まで覚えてしまってる。 お腹の底に打ちつけられる重くて鈍い衝撃は、こらえきれずに声を上げてしまう強烈な快感へとたちまちに変わった。
背筋に感じる熱い唇にねっとりと舐られるだけでその快感は膨れ上がって、腰ががくがく震えてしまう。 甲高い声を部屋中に撒き散らしながらびくんと仰け反ってイってしまうと、その後はもう自分じゃどうにもならなくなる。 ずぶっ、ずぶっっ、って奥深くまで押し込まれる感覚の虜になって、銀ちゃんの肩に頭を預けてぶるぶる震えながら繰り返し達した。
外まで届きそうなうわずった嬌声が、からからに乾いた喉を絶え間なく貫いては消えていく。
ぐっと押し込まれて仰け反るたびに、ぼやけた視界がぶわりと湧いた熱い涙で溢れ返る。ガラスに映ったあたしたちの姿が、溢れた涙で溶けていく――

「あっっ、また、くる、くるの、っっ、ゃあぁ、ぃっひゃ・・・うぅ・・・っ!」
「んっ、俺も。俺もイきそ・・・あんだけ出したのによー、まだお前に出したくてたまんねぇ」
「も、らめっ、あっっ、銀ちゃあっ、ぎん、っっっ」
ー、も欲しかった?俺がいなくてさみしかったときもこんなに濡らしてたの。俺のこと考えながら、きもちよくなるとこ触ったりした?」
「ひぁ、んんっ、し・・・なぁ、んん・・・〜〜〜っっ」

してない。そんなこと、してない。
かぶりを振って否定しても、中はまるで銀ちゃんの問いかけを肯定するみたいにいやらしくうねる。
ちがうのに。そうじゃないのに。あたしはただ、一緒にいてほしくて。
風邪で弱って心細くなってた身体を、すきな人の腕でぎゅって抱きしめてほしくて。銀ちゃんに甘えたくて、慰めてほしくて――

「ひぁ、ち、ちがぁ・・・ぁあんっ、ひぅ、っっ」
「でもとろっとろに濡らして待ってたよなぁ。なぁ、そんなに欲しかった。そんなに好きなの俺のこと」
「っあ、ゃぅ、やらぁ・・・ああぁっ」
「はは、言われた途端にきゅうきゅう吸いついてんじゃん。 っとに素直で可愛いーよなぁ・・・昼間は挿れなかったし、ずっと欲しかったんだろ、これ」
「っっう、ちが、ぁっ、あっ、ああぁ!」

銀ちゃんはあたしの腰が浮いた状態を保ったまま、上下に揺さぶってぐちゅぐちゅ中を荒らしてくる。
何度かに一度、どこか感じやすいところをぐにゅりとなぞるような動きを混ぜる。 そうされるたびに足先がぴんと反って震え上がっちゃうくらい気持ちよくて全身が痺れて、やめて、って頼むどころじゃなくなっちゃう。 大きく張り出した先端がそこを通過するだけで、身体が痺れて息が詰まって――短い悲鳴みたいなしか上げられなくて、涙が勝手にぽろぽろこぼれて。
ひっく、ひっく、って嗚咽が止まらない唇をぎゅっと抑えてたあたしの手が、大きな手のひらに掴まれる。 そのまま腕を持ち上げられてまた銀ちゃんの首に巻きつけられたと思ったら、膝をくっつけた格好で抱え込まれてた太腿をぐいと左右へ離されて、

「〜〜〜ぁああああ!」

脚を大きく開かされると同時で、いちばん奥に熱い塊をぶつけられる。
一息に貫かれた衝撃で頭の芯まで痺れきっちゃって、ぼやけた視界に映るものすべてが一瞬でまっしろに染め上げられた。 ぁ、あぁ、あ、あ、って上擦った声を上げながら、強烈だった痺れの名残りに全身を小刻みに震わせる。手足の先まで弱い電流を流されてるみたい。 どこにも力が入らないし、唇の震えも治まらない。それでも銀ちゃんはやめてくれない。 両腕に抱え込んでるあたしの身体を繰り返し上下させては、苦しそうなくらい張りつめてそそり立った熱で深々と貫く。 呼吸が止まるほどの強い突き上げが連続したせいでがくんとあたしが崩れ落ちても、痙攣する中をさらに激しく貪られ続けた。
突かれるたびに頭がぐらぐら前後に揺れて、身体が勝手に躍り上がって、胸の膨らみが跳ね上がる。 強すぎる気持ちよさで眩暈がする。 激しい動きですっかり上気して汗が滴る首筋に、必死で腕を絡ませる。ふわふわしたやわらかい癖っ毛を、泣きながら夢中で握りしめる。 だけどいくら必死に掴まっても、姿勢は不安定なまま。 早さを増した腕の動きに身を任せるしかなくて、ものすごい腕力であたしを揺さぶる男の人にずぶずぶ突かれるままになった。
はしたないくらいに太腿を開かされてしまったから、薄く濁った蜜を溢れさせるところが目に飛び込んでくる。
ちょっとうつむいただけで避けようもなく見えるくらいだ。 あたしのほっぺたに頬ずりしながら荒い息を吐いてる銀ちゃんにだって、同じようにあられもないくらいに見えてるはず。 なのに恥ずかしいとか見られたくないとか、そんなあたりまえの羞恥心すら湧いてこない。
――お腹を奥まで埋められたときの、爪の先まで痺れさせちゃうようなあの快感のせいだ。
あの息が止まりそうになる気持ちよさで身体の芯を貫かれると、こんなに何回も許しちゃだめ、って頭の隅から囁きかけてくるもう一人の自分の声も、感じすぎて蕩けきってる身体を好きな人に見られる恥ずかしさも掻き消えてしまう。 奥まで満たしてくれる熱さにぜんぶの感覚が集中して、激しく押し込まれたときの衝撃や、お腹や胸の中まで苦しく感じてしまうくらいの圧迫感と、引き抜かれたときのせつない疼きで爪の先までいっぱいにされて――


「っっぎ、ひゃあ、ぃっ・・・いっひゃ・・・ぅう、ぁっっ、はぁ、っっ」
、出る、出すぞ、・・・――っ!」
「ぁっ、あっ、あっぁああっっ、・・・っひ・・・あああぁ・・・〜〜っっ!」


う、って呻いた背後の身体が、がむしゃらにお腹を抱き締めてくる。
ぐっ、って銀ちゃんが歯を食い縛った時にはもう、熱い飛沫が押し寄せてくるのをお腹の中で感じてた。 一瞬で奥まで流れ込んでくる。 なす術もなく受け入れさせられたその感覚は、銀ちゃんに抱かれるようになって初めて知った快楽で。 どぷどぷと放った狭いところに自分の欲望の痕を残そうとしてるみたいに、銀ちゃんを受け止めたそこをじぃんと熱く灼けつかせてしまう。 せつない気持ちよさで縛りつけて、あたしの身体をこの快感に逆らえないように変えていってしまう。

・・・でも、これっていけないことだ。こんなことしちゃだめなのに、
・・・・・・なのに――嬉しい。
・・・そう、嬉しいんだ、あたし。 力ずくで奥まで捻じ込まれる感覚は苦しくてたまらないのに、腰ががくがく震え上がってるのに、好きな人の熱に満たされていく嬉しさが溢れてきて ――いけないことだって思うのに、どうしようもなく気持ちいい。
はぁっっ、って切羽詰まった苦しげな吐息が、首筋に強く押しつけられる。 獣みたいな荒い呼吸を繰り返してる唇が、汗ばんだ肌に噛みついてくる。 ちゅる、ってそこで濡れた音を鳴らした銀ちゃんは、火照りきってる首筋を吐息で撫でながら囁いてきた。
――どうにかしてあたしの機嫌を取ろうとしてるときの、聞いてるこっちが赤面しちゃうほどデレデレでゆるゆるな猫撫で声で。 聞いただけで背筋が蕩けてしまいそうになる、甘くてとってもずるい言葉を。

ー、ちゃーん。すきすきー、可愛いー、あいしてるー」
「〜〜うぅう・・・もぉ、ばかぁ。そぉいうの、やめ・・・っ」
「なーなーお願い、もっかいヤらせて。や、もう二か…じゃねーや三回な三回」
「むりぃ・・・んちゃ、はなしてぇ」
「だめー。お仕置きだって言ってんじゃん」

透明な汗が幾粒も滴ってること以外はどこにも疲れた雰囲気なんて感じられない、にやついた顔が迫ってくる。
ちゅ、ちゅ、ちゅ。 言葉とは裏腹な甘くてやわらかい口づけを、ほっぺたや目許に何度も落とす。 感じすぎてつんと尖った両胸の先を長い指先に摘まみ上げられると、両方の手が同時に動いて、同時にきゅうって捻られて――

「――っぅう、ゃあ、ゃんっ」
「お前さぁ、判ってんの。こんだけいやいや言われっと却って銀さんのドS心が疼いちまうんだけど。もっと苛めたくなるんだけど」
「〜〜っ、やあ、ゃ・・・あぁ」
「えー、やなの。やだやだ言ってるわりに感じてんじゃんお前。ここもよー、触った途端に固くしちまって」
「んっ、ぁ、そこっ、だめぇっ。ぁ、ぁあっ」

突然襲ってきた強い刺激で、摘まれた胸の先から腰までびくびくと震えが回る。
両方同時に爪で強めに弾かれて、かと思えば、すっかり固くなったそこを摘まれて。 指先で捏ねるみたいにくにゅくにゅされて、くるくる、って転がされて。 気付けば胸ごと鷲掴みにされて、膨らみに指が深く埋もれるような手つきで乱暴に揉まれて――最後にきゅうって、感じすぎて固く尖った蕾を潰しながら捻られる。
――どうしよう、ぜんぜん、ちっとも我慢できない。またイっちゃう。
弄られてるのは胸なのに、銀ちゃんのを小刻みに擦りつけられてる奥深くから、こらえきれない気持ちよさが広がってくる。 だらしなく開いた唇から、言葉にならない声が漏れ出る。きつく瞑った両目の端から涙がぽろぽろこぼれ落ちて、

「っっぅ、ぁあっ、あ――・・・っ、ぁあぁあ・・・っ!」

びくんっ、って背筋を跳ね上がらせて蕩けきった悲鳴を漏らしたあたしは、そのままあっけなく達してしまった。
燃えそうに熱い塊で埋め尽くされた、お腹の奥の深いところ。
銀ちゃんを締めつけてる蕩けたところが、ごつごつした太い指が胸の先を嬲るたびにせつなさで疼く。 粘膜の襞がざわめくみたいにいやらしく蠢いて、その感覚だけで感じちゃう。 我慢しても喘ぎ声が唇から漏れて、濁った粘液がはしたないくらいに溢れて、そんな自分を見られてる恥ずかしさで身体中が燃え上がる。

「・・・あーあー、またお漏らししちまって。俺の着物も布団もとろっとろじゃん」

口調は呆れ気味なのにどこか嬉しそうな声で囁きかけてきた銀ちゃんが、汗が伝う顔を寄せて頬ずりしてくる。
否定したいけど否定できない。イったばかりで動けないどころか声も出せなくなってるあたしは、震えっぱなしの唇を噛みしめてぐすぐすぐすぐす啜り泣くくらいしか出来なかった。 それに、たとえ声が出せたとしても何も言い返せそうにない。 お尻の辺りに少しだけ貼りついてる薄い着物地も、その下に感じる銀ちゃんの太腿も、確かにじっとり濡れてるから。

・・・ああ、もうやだ。死にたい。恥ずかしすぎて死んじゃいたい。
やっぱりおかしい、おかしいよ。どうして?どうしてこんなに感じちゃうの。 やっぱり今日は何かが変だ。きっと風邪のせいで身体のどこかがおかしくなっちゃってるんだ。
触られてるのは胸なのに、どうしてこんなになっちゃうんだろう。これじゃあまるで、媚薬でも飲まされたみたいだよ――

「おーい聞いてんのちゃーん。なぁ教えろって、次は。次はどこいじめられたいんだよ」
「ふぇぇ・・・ゃらぁあ・・・も、やぁ・・・なんで、やぁ」
「んー?なんでって、何が」
「ど、しょ、銀ひゃあ・・・きょう、か、からだ、おかし・・・のぉ、すぐ、いっちゃ・・・もちよく、なっ・・・やぁ、やだぁ、なんで・・・っ」
「いや何でって。そらぁお前、アレだろアレ」

ぱちりと瞬きして不思議そうに漏らした顔が、珍しいものでも見るような目つきに変わっていく。
ぴと、ってほっぺたをくっつけて横から覗き込んできた銀ちゃんは、ぱちぱち、ぱち、って瞬きしながら数秒黙り込んでから、

「え。もしかして知らねーの。え、マジで」
「〜〜ぅっく、ひっっ、な、なにぃ、しらな、って、何ぃ・・・っ」
「・・・・・・。マジで知らねーのかよ。ったく、これだからお子ちゃまはよー」
「――あぁん!」

もどかしそうで荒っぽい溜め息を吐いた銀ちゃんの手が、胸を弄る動きを早める。
くにゅくにゅ、くにゅ、って捏ねるみたいに薄赤い蕾を回されて、爪先できつめに弾かれて。 それとほぼ同じタイミングで、ずんっっ、って奥まで杭を打ち込むみたいに張り出した先をぶつけられたら、埋め尽くされたところから頭の天辺まで甘い衝撃が駆け抜けていく。

「〜〜ぁっ、っひ、あっ、ぁあ――っ!らめっ、いっっ、いっちゃ、またっ、あぁ、〜〜ぁああああっ!」
「っは、きもちい・・・締めつけすげぇ・・・」

はぁ、はぁ、って火照った息遣いを漏らしながら、銀ちゃんがぎゅうって抱きしめてくる。
力ずくで押さえ込んでくる腕の中で、上下に身体を揺さぶらされる。ずぶっ、ずぶって繋がったところがぶつかり合うたびに、飛沫が目の前まで飛び散って――

「〜〜はぅ、んんっ、ゃぁんっ、はげし、のぉ、らめぇっっ」
「・・・なぁー、聞いたことねぇ? 具合悪りー時ほど性欲強くなって、めちゃくちゃセックスしたくなるって話。多分それだから、お前のこれ」
「〜〜っ!?ゃ、ちっ、ちがぁ、ぁ、あたし、そんな・・・っう・・・や、ゃらあ、ふえぇ、っっ」
「あーあー泣くなって、別に恥ずかしい事じゃねーんだから、な?」

むしろ銀さん的には歓迎だから。やらしーちゃん大歓迎だから。
愉しそうに囁いた唇が赤く染まった目元にキスして、そこに溢れた大粒の涙をぺろりと舐める。 その感触にも感じちゃったあたしがびくんと身体を震わせて喘ぐと、くつくつ笑った銀ちゃんはあたしの背中を軽く押した。
上半身がぐらりと前に倒れて目の前に床が一瞬で迫って、っっ、って息を詰めて身構えた瞬間に両腕を後ろへ引っ張られる。 手首のところを一掴みにされた不安定で不自由な体勢に驚く前に、あたしを乗せた太腿が力強い動きで上下し始める。 ぐちゅんっ、ぐちゅんっっ、って疼きが止まらない奥をひたすらに突かれて、後ろ手にされた腕をぐいぐい引かれて背中がしなって、マットのスプリングがみしみし揺れて、

「ひぅ、やだぁぁ、っこ、これ、ふかぃのぉ、ぁん、ぉくっ、あたっ・・・ぁあああっ」
「あのよー、人間ったって元は四本足で地面這ってたケモノだからよー、病気だの怪我だので瀕死の目に遭うとー、何とかてめえの子孫残そーとケモノの本能剥き出しになるんだとよ。 だから女は男が欲しくなって無意識に誘っちまうんだわ、今のみてーに」
「ぁ、ああ、っっひ、ぁんっ、ぎっっ」
「でよー、男はそーいう女にムラっとして子種ぶちまけて孕ませたくなんの。今の、俺、みてーに――・・・っ!」
「ひ、ぁあ、ぁ、あた、ひぅ、ぁあんっ、・・・な、しらな、っっ、ぁっ、あぁあああ・・・っ!」

――知らない、そんなの知らなかった。
無意識になんて、そうじゃなくて、ただ銀ちゃんに一緒にいてほしくて、さわってほしくて、抱きしめてほしくて。ただそれだけなのに、違うのに。
・・・・・・ああ、でも、でも。
だったらどうして――どうして銀ちゃんを止めなかったんだろう。 銀ちゃんが何度も放った熱いものは、きっともうあたしの身体の奥まで流れ込んじゃってる。もう取り返しがつかないくらいに、うんと深いところまで届いてる。 あんなに何度も許したらだめだって、そんなこともちろん判ってたのに・・・どうして。あたし、本気で嫌がらなかった。 いや、いや、って口では言っても本気で銀ちゃんを止めようとしなかった。
どうして。どうして――

ー、やべぇってお前のナカ・・・ぐにゅぐにゅ動いて止まんねぇ・・・気持ちいぃ・・・っ」
「〜〜・・・っっ。ゃ、やらぁ、ど、してぇ・・・〜〜っ」
「どーしてって・・・そらぁやっぱり、が銀さんにベタ惚れだからじゃねーの。 はは、俺がいなくてさみしくなってめそめそ泣いちまうくれーだもんなぁ」

満足そうな溜め息を荒れた呼吸の合間に吐いた銀ちゃんが、ごそ、ごそ、って衣擦れの音を立てて後ろに下がる。
下がって空けた狭いスペースに、不安定にぐらぐらしてたあたしの上半身は押し倒された。 両手で腰を固定されて脚を大きく開かされると、ずるっ、って勢いよくすべて引き抜かれて、
――ぐちゅぐちゅっ、ぐちゅっっ。
蕩けた音を上げながら、今にも弾けそうなくらい張りつめた先端に乱暴に粘膜を割り広げられて、

「あぁんっ、あ、ぁああぁ、ぁあ〜〜っ!」
「っとに可愛いーよなぁ、今日のお前、たまんねぇ・・・なぁ、そんなに俺のこと好き。そんなに欲しいの」
「やっっ、あっああっ」

背筋がぞくぞくしちゃうような甘い声音でささやかれたら、銀ちゃんしか触れたことのないやわらかいそこは、もうあたしのいうことなんて聞いてくれない。
『 そんなに俺のこと好き 』
そう尋ねてきた声にたちまちに反応して従順になって、何度もこうして教え込まれてきた気持ちよさでみるみるうちに蕩かされていく。 何をされても銀ちゃんの思うままに、はしたなく乱れながら昇り詰めていった。 ぐちゅぐちゅと荒っぽく抉られるたびに感じきった涙声を上げてたら、後ろから伸びてきた手に胸を激しく揉みしだかれる。 ちっとも余裕がなさそうな、ぱんっ、ぱんって叩きつけてくる腰の動き。 膨らみごと鷲掴みにしてぎゅうぎゅう搾り上げるような、力任せでめちゃくちゃで荒い手つき。 どっちも乱暴で息もつけなくてくるしいのに、それだけあたしに夢中になってくれてるからだって思ったらどうしようもなく嬉しくなる。 興奮しきって我を忘れているような呻き声が耳元で響くたびにどきどきして、速くて荒い息遣いにもきゅうって胸を締めつけられる。 気持ちも身体もふわふわしてきてすぐにイっちゃいそうになってたら、ずぶずぶと擦られてきつく狭まったところの敏感な芽まで容赦なく揉まれる。
感じやすいところばかり蹂躙されるのを喜んだ身体は腰からがくがく跳ね上がって、気持ちよさそうにとろとろとろとろ、濁った色のしずくをこぼしながら、昂って硬さを増した熱の塊を絞り上げていって――

「ぁ、あぁ、ぎんちゃ・・・ぃ、ぃ・・・のぉ、もち、ぃっっ・・・」
、言って、言えよ、っ、すきって、なぁ、っっ」
「あっ、あっ、あああっ、ぉくっ、っき、きちゃうぅっ、ああぁんっ」
「んっっ、奥な、もっと欲しいんだろ、ここに、俺の・・・っ!」
「あっ、あぁっ、ほし、のぉ、ぎ、ちゃあっっ。・・・っっ、っああぁっ、ぁっ、ぁああ・・・〜〜〜〜っっ!」

ぐちゅっっ、って突き入れられた衝撃に声も出せずに身悶えたら、身体の芯に電流が奔る。
それと同時でどくんどくんと奥を埋めた高熱が跳ねて、どぷりと押し寄せた快楽の波にあたしは意識まで流されかけた。
お布団に埋もれてまっくらだった視界が、ぱぁっとまっしろに染め上げられる。 力任せに上半身を起こされて、弾む吐息を漏らす唇に奪うみたいに塞がれた。 はしたないくらい大きく開かされた脚の間で、あたしを奥まで埋めてる熱が暴れてる。 どくんっ、どくんっ、って脈打つものに注がれて満たされる感覚が、いけないことだって思うのにやっぱり嬉しい。 ぽろぽろ涙をこぼしながら汗で濡れた胸にぐったり凭れて、しあわせな充足感にぼんやり浸る。

――そう。そうだよ。理由なんてそれだけなの。ただ銀ちゃんがほしかったの。
熱を出して一人で寝込んで、苦しくてさみしくて心細くて、好きな人に会いたくなった。
顔を見たら触りたくなって、ぎゅって抱きしめてほしくなって、抱きしめられたら嬉しくて、これまでも数えきれないくらい感じてきた体温や匂いにほっとして。それだけで満足なはずだったのに、
――それだけじゃちっとも満足できなくて、泣きたくなっちゃうくらいに足りなくて、もう離れたくなくなっちゃった。
だからぜんぶ、銀ちゃんの思うままにさせてしまった。
これまで守ってきた最後のラインを、銀ちゃんが踏み越えてくるのを許しちゃった――

はぁ、はぁ、って乱れた呼吸を整えながら終わらない口づけにうっとりするうちに、自分でもどうかしてるなぁって思っちゃう考えが、高熱でくらくらしてる頭の隅にぼんやり浮かぶ。
だけどそんな考えも、じきに頭の中から消えちゃいそうだ。 あたしの中で吐き出したはずの銀ちゃんが、すぐに腰を動かし始めたから。 繰り返し身体を揺さぶる律動はさっきの射精なんてなかったみたいに獰猛で、そのうちに身体どころか頭の中まで全部ぐずぐずに溶かされてしまった。
途中でまたうつ伏せに倒されて深く激しく揺り動かされて、しがみついたお布団に泣きじゃくる顔を擦りつける。 ぐちゅぐちゅ掻き回されてるお腹の疼きが、気が狂いそうなくらい膨らんでいく。 それだけでもう何もかも忘れちゃいそうなくらい気持ちよくてどうにかなっちゃいそうなのに、ちゅ、ちゅ、って首筋にきつめに吸いつかれたり、背筋に沿って首の付け根までゆっくり舌でなぞり上げられたら、快楽に溺れきって喘ぐいやらしい姿を後ろから見られてる恥ずかしさまで忘れてしまう。
張り出した先端に擦られてる深いところから這い上がっていった快感が、頭の芯まで麻痺させようとしてる。 震える手で銀ちゃんの腕に縋りついたあたしは、固く引き締まってるそこにおそるおそる顔を近づけた。 寸前で瞼をぎゅって閉じて、喘ぎ声が止まらない唇を思いきって押しつける。
だって――銀ちゃんは後ろにいる。うつ伏せにされたあたしにも触れられるのは、目の前まで伸びてきたこの腕だけ。
それに――知らないんだもの。他にどんなことをしたらいいのかわからない。
あたしは銀ちゃんしか知らない。他の人に身体を許した経験がない。 銀ちゃんとは経験値の差がありすぎて、子供扱いされてばかりで。 戸惑いながら知っていった気持ちよさも、好きな人に気持ちよくなってもらう方法も、ぜんぶ銀ちゃんから教えられたことばかり。 だからこんな時にはいつも困ってしまう。 だってひとつも知らないんだもの、こんな時に男の人が喜んでくれそうな「正解」を。 すき、って言葉だけじゃ伝わりそうにないくらい好きになっちゃってることを、他にどうやって銀ちゃんに伝えればいいのかなんて知らないから――
ん、って不思議そうに唸った銀ちゃんが動きを止めても、あたしは夢中で唇を落とし続けた。
自分でも情けなくなるような拙さだけれど、いちおうこのキスは銀ちゃんの真似だ。 あたしよりもうんと上手に触れてくれるその仕草を思い出しながら、手の甲から指の先まで、舌先をそうっと押しつける。 震える手で握りしめた指を、口内に含んでくちゅくちゅ舐める。 たどたどしく舌を動かすたびにどきどきしながら、すき、すき、ってこころの中で唱え続けた。 嗚咽混じりの乱れた声が止まらなくなってる唇をどうにか開いて、

「はぁ・・・んんっ、・・・・・・きぃ、ぎ・・・ちゃあん、すき、すきぃ」
「・・・。はは、やーっと言った」

――遅せーよ、遅すぎ。
耳にそうっと押しつけられた熱くて濡れたやわらかさが、掠れた声を漏らしながら笑う。
唇を落としてたほうの手があたしの手を掴まえて、もう離さない、って言いたげな力強さで指と指を絡め合わせた。 そんな仕草にぼうっと見惚れていたら、胸の奥が熱くなる。どんな言葉に変えたって伝えきれないんじゃないかって思っちゃうくらいの嬉しさが、「すき」の気持ちが溢れ出す。 いつのまにか目の奥まで熱くなって涙がこぼれて、生まれたばかりの透明なしずくがほっぺたをつうっと流れていった。

――あのね、銀ちゃん。あたし、銀ちゃんの彼女になれて初めて知ったんだよ。 好きな人にこうして手を繋いでもらうだけで、こんなにしあわせになれるんだって。
だけどそう思っちゃうあたしって、もしかしたら男の人にとってはものすごくお手軽な子なのかも。 だってこうしてもらうだけで、銀ちゃんのせいで身体中くたくたになってることすら忘れかけて、泣いちゃうくらいしあわせな気分になってるんだから。
だからね。だから――これを言ったら銀ちゃんはすごーく調子に乗っちゃうか、逆にすごーく照れるかもしれないから、胸の中にしまっておくけど――あたしをこうして掴まえてくれた人が銀ちゃんでよかった、っていつも思うの。

このしあわせを教えてくれた人が、銀ちゃんでよかった。
他の男の人にとってはお手軽で騙しやすいかもしれないあたしの気持ちを、こんなふうに大切そうに受け止めてくれる人でよかった、って――


「ん、ちゃあ、すきぃ・・・だぃ、すき、ぁあ、もっとぉ、きもち・・・のぉ、っとぉ・・・」
「・・・っ。あぁもうお前、かわいすぎ・・・っ」
「――あぁ!」

焦れったそうな性急な仕草であたしの身体を仰向けに変えた銀ちゃんが、両脚を脇に抱え上げる。
はぁはぁと乱れる呼吸を押し殺しながらゆっくりと、うんと深く一突きしてくる。 濡れたお布団に埋もれてた背中が、衝撃の重さに大きくしなって浮き上がる。 突然与えられた鈍い快感に、あたしは抱えられた両脚を天井へ向けて跳ね上がらせた。
まるでそれが合図だったみたいに、銀ちゃんが腰を振り始める。
ぱんっ、ぱんっっ、て部屋中に響く破裂音を上げて、濡れた肌と肌がぶつかり合う。濁った色の雫をあたしのお腹や太腿にまで飛び散らせながら、生々しい水音を響かせる獰猛な抜き挿しを速めていった。

「っっあぁぁん・・・!ぎ、ちゃあ、っっ、すきっ、ぁん、すき、すきぃ・・・っ!」
「・・・・・・俺も、っ。俺も、好き、、すき・・・・・・あいしてる・・・っ」

息を荒げて弾む声と艶めかしくて熱い視線が、真上から絶え間なく降ってくる。
伏せた睫毛の影に隠れてるから、あんまりよく視えないんだけど ――まるであたしに見惚れてるみたいにこっちをぼうっと見据えた瞳が、目尻をわずかに下げた目つきが、薄い笑みを浮かべた唇が、なんだかちょっと――嬉しそう。
・・・・・・銀ちゃん、そんなに嬉しかったのかな。あたしに「すき」って言わせたことが。 すきって言わせただけで喜んでくれるくらい、あたしに夢中になってくれてるのかな――
そんなことを頭に浮かべて胸が高鳴ったのも束の間、切羽詰まってるような焦った仕草で重い身体に圧し掛かられた。
さっき握られたほうの手を大きな手のひらがぐっと掴んで、汗と粘液でじっとり濡れた毛布の上に縫い止める。 硬い胸筋で潰れされて息苦しさを感じてた胸を、もう片方の手に握り締められる。 むしゃぶりつくような荒い仕草で、胸の先を吸い上げられる。 濡れた中でくちゅくちゅ揉まれて、じゅうぅ、って唾液を含ませるような舌の動きに弄られる。 そうしながら何度も気持ちいいところを突き上げられて揺らされて、いつの間にか繋がれてた両方の手がどちらからともなく指と指を絡め合う。
最後にはきもちよすぎて、いくら泣き叫んでも声すら出なくなって。
ぶる、って身体を震わせた銀ちゃんが中へ熱を吐きだしたのと同時で、あたしはもう何度昇り詰めたかわからない高い高いところまであっというまに押し上げられてしまった。




「猛毒いちごシロップ #7」
title: alkalism http://girl.fem.jp/ism/
text *riliri Caramelization  2016/03/08/      next →