資料棚の上に設置されたスピーカーから、三時限目の始まりを告げるチャイムが鳴り響いている。
予鈴はいつ鳴ったんだろう。今日はが日直の日で、次の古典の授業で使う数冊の本や辞書を探すためにずっとこの棚の前に居た。
なのにそんな音を聴いた覚えがどこにもない。
さっきから音を遮断されているからだろうか。の両頬をしっかり押さえて顔を固定している手のひらはがっしりと大きく、指だって長い。
こうしていると耳までぴったりと塞がれてしまい、他に誰もいない国語科準備室はほとんど無音の空間みたいに思えてくる。
閉め切られた扉の向こうでは、教室移動する生徒たちが騒々しく歩いていたはずだ。耳を塞がれているせいで、その足音くらいしか感じられなかったけれど。
それに――そう、これがいちばん大きな原因だろう。口の中で響いているこの音。舌や喉奥、顎の裏までめちゃくちゃに撫で回されて、何が何だかわからなくなるような強引なキスで口の中を荒らされていたから。
先生の舌が蠢くたびにくちゅりと跳ねる水音に、聴覚どころかぼうっと火照った頭の芯まで埋められているから――
「――せんせ・・・・・・っ、授業、はじまっ、ちゃ・・・・・・っ」
はぁ、はぁ、と息苦しさに喘ぎながら白衣の胸を押し返したは、それだけを口にするのがやっとだった。
それでも先生が唇を押しつけようとするので、結び目が緩みきっているだらしないネクタイを掴み、遠慮がちに何度か引っ張る。
にとって、それは先生に対する精一杯の「もうやめて」のサインだ。
けれど先生にとってのそれは、何か他の意味と取り違えてしまうような仕草だったらしい。
離れかけていた唇をまた塞がれ、満足に呼吸もさせてもらえないキスがふたたび始まる。
汗ばんだ首筋をゆっくり撫でられ、夏用の薄いセーラー服の肩から腕を撫で下ろされる。
先生の手は脇腹から腰へと這っていき、制服のプリーツスカートの上から、腰のくびれに沿って白衣の腕が巻きついてくる。
ぎゅっときつく抱きしめられ、同時に喉奥まで侵入してきた舌先に顎の裏を舐められる。
すると急に、背中から首筋にかけてぞくぞくした感じが這い上がった。
ふぁ、と驚いて先生の唇から逃げた瞬間に男の人の重い身体が圧し掛かってきて、背後の棚に背中が当たる。
古めかしい本や何かのプリントの束がびっしり詰まった高い書棚がわずかに揺れて、がさ、と紙が擦れ合ったような音が頭上で鳴った。
咄嗟にシャツの胸を押してみたけれど、先生はの抵抗なんて感じてもいないような顔で迫ってくる。
胸に当てた手もあえなく掴み上げられて、棚にずらりと並ぶ古い文学全集の背表紙にしっかり縫い留められてしまった。
「っせ、ん・・・っ」
「鳴ったな、チャイム」
動くな、とでも言い含めるかのように、眼鏡越しのとぼけた視線に見下ろされる。
は唇をわずかに噛んで、レンズの向こうから見つめてくる年上の恋人の視線を避けた。
こんな視線を向けられるたびに、奥手で男の人と付き合った経験のないはいつも気後れしてしまう。
慣れない距離の近さや、いつもより濃く感じる煙草の香りにどきどきしてしまう。
――というか、思い返せば先生にはいつもどきどきさせられてばかりだ。むしろ、心臓が破れそうな思いをさせられた覚えしかないくらいに。
「ぁ・・・あの、もう、離して」
「何で」
「何でって、・・・」
「やだった?こーいうことされんの」
抑えつけられた手にゆっくりと指を絡ませながら問いかけられて、心臓がとくんと跳ね上がる。
頬や首筋がぼうっと火照り出して、汗で制服が張りついた背中がじんわりと湿り気を帯びていく。
先生は汗の一滴すら滲ませていなさそうな、涼しい顔をしているのに――
「教室、戻らないと・・・授業が」
「やめとけば。んな赤けー顔して戻ったらクラスの奴らに怪しまれんだろ。この時間は誰もこねーし、もう少しここで休んでいけば」
「で、でも・・・っ」
熱を持った頬に手が伸びてきて、指先でくすぐるようにして撫でられる。
ふに、とそこを摘まんだり、瞼にそっと唇を落としたり、爪先で唇をなぞったりと、先生はの反応をいちいち見ながら顔や首筋に触れてきた。
最初は触れるだけだった唇は、肌の上を滑りながら次第に動きを変えていった。ちゅ、と音を立てて啄んだり、強く押しつけて舌先で舐めたり。
耳の下あたりにも押しつけられてきつめに吸われ、ちり、とちいさな痛みに肌を刺された。
あっ、と細い声で叫んだはぶるりと背中を震わせる。
――いま、先生は何をしたんだろう。
何かおかしい。感じたことのない甘い痛みがぞくりと身体を駆け抜けていって、その痛みのせいなのか、全身の力がふっと抜けてしまいそうになった。
先生がゆっくりと唇を離しても、一点を焼け焦がされたような熱の名残りがまだそこにはあって――
「・・・・・・せ・・・先生・・・?」
ちりちりした痛みを訴えてくるそこを押さえながら、戸惑いと怯えが混ざり合った目で見上げる。
すると先生はほんのわずかに眉を寄せて、何を考えているのか判らない表情でふっと笑った。
かと思えば眼鏡を外しながら、この瞬間を待っていたかのように素早く顔を寄せてくる。唇と唇が重なり合う。
息が乱れた口内へ、ぬるりと舌を送り込まれた。
再び迫ってきたシャツの胸をぐっと密着させられてしまえば、いくら押しても壁みたいに動かない先生に押し潰されて逃げられない。
――生徒よりも自由そうな先生として有名な、3Z担任の坂田先生。
の初めての恋人は、自分でも驚いてしまうことにクラス担任の先生だ。
年は十歳近く離れているし、一癖も二癖もある変わった人。やる気が無さそうな態度のわりにいざという時は頼りになって、生徒にも結構人気がある。
そんな人が初めての恋人、というだけでも交際初心者の女子高生には十分荷が重かったし、二人が教師と生徒である以上、恋人という関係になったことを誰にも知られてはいけない、というやけに重たい秘密まで圧し掛かってくる。
けれど何があっても動じないタイプの坂田先生は、二人の年の差も立場の違いも、あまり気にしていないらしい。
それどころか周囲の目も大して気にならないらしく、との秘密の関係をどこか楽しんでいるような雰囲気さえあるのだ。
そのせいなのかどうかは判らないけれど、先生はちょっとした暇を見つけては二人で会う時間を作ってくれる。
例えば――他の先生が来ないために二人きりで過ごせる、国語科準備室での昼休み。
授業の合間の短い休み時間。補習や進路相談などと適当に理由をつけては自習室に呼ばれ、二人きりで過ごす放課後。
いつも短い間しか一緒にいられないけれど、それでもは嬉しかった。生まれて初めての恋人と過ごせる時間は、緊張もするけれどそれ以上に楽しい。
だからさっきも資料を見つけてすぐ教室に戻るつもりが、先生の顔を見たら嬉しくなってつい長居してしまったのだが――
「だめ・・・っ、ちこく、しちゃう」
「遅刻ねぇ。いやセーフだろ。この場合どんだけ遅くなってもセーフじゃねえの、担任の俺が引き止めてんだから」
「そんな、だ、っ、っん」
だめです、と言うために動かそうとしたの舌を、熱くて濡れた感触が強引に奪う。
ちろちろとくすぐるようにして根元の敏感なところをなぞられれば、膝がかくんと抜けてしまう。んっ、と喘ぎ声が跳ね上がる。
何が起こっているのかもわからないまま抱きしめられ、息遣いが荒くなってきた先生の思うとおりに絡みつかれていく。
口の奥で蠢く熱の動きだけで身体中がぞくぞくしているのに、セーラー服の裾から滑り込んできた手に背中を直に撫でられたらもう震えが止まらない。
資料棚に抑えつけられた手まで震わせていると、ずっ、と背後で何か音が鳴る。
ん、と訝しげな声を漏らした先生がから離れ、なぜか頭上に目を向けた。その瞬間、最上段に乱雑に積まれていた紙の束がばさばさと崩れて降ってきて――
「――っ!」
「っ、ちょ、あぶね――・・・っ!」
頭上で舞った大量の白紙が視界に迫り、それに驚きが固まる。ばさっ、と顔に当たった瞬間、背中に触れていた腕にぐんと引かれた。
どっ、と大きな振動が準備室の床を震わせる。棚から身体を剥がされたのと同時で、ちょうどが立っていたところに何かが落下したらしい。
紙の束に巻き込まれて落ちてきたのは、備品の古いホワイトボードだ。
長い間棚上で放置されていたのか、紙が散乱した二人の周囲に埃がふわふわと舞い散った。
「誰だよ、んなとこに積んだ奴。大丈夫か」
「は・・・はぃ・・・・・・当たったのは紙だけ、だから・・・」
抱きしめられたまま呆然としていると、あっそ、と笑った先生に白衣の腕の中に閉じ込められる。
軽く撫でられた頭の天辺に、温かな感触が落ちてくる。そこにキスされたのだと数秒遅れで気付いたは、ぽうっと薄く頬を染めた。
チャイムはとっくに鳴り終わり、しんと静まった廊下からは何の気配も感じられない。あれから数分は過ぎているはずで、どの教室も授業中だ。
一つだけ開けられた窓から、体育の授業中らしい足音やざわめく声が風に乗って届く。
先生の胸に押しつけられたの視界の端では、床中に散乱した紙がふわふわと、生温くて湿り気のある夏の風に揺られていた。
胸元に結んだ赤いタイやスカートの裾をさざめかせる風が、先生の首筋に染みついている煙草の匂いをふっと鼻先まで運んでくる。
グラウンドでサッカーをしているらしい男子生徒たちの大きな声を耳にしているうちに、ああ、ここって学校だった、と今頃になって意識し始める。
ようやくこの状況の現実感のなさに違和感を感じ始めたは、それでも夢から醒めたばかりのようにぼうっとしていた。
先生は何も言わずにの頭や背中を撫で、髪や頬に甘い口付けを繰り返している。
宥めるように撫でてくれる優しい無言は静かすぎて、その静けさのせいで却ってどきどきして胸が苦しい。
「・・・・・・先生、今日、なんだか・・・変です」
「変て、どこが」
「だって、・・・初めてだし。今まで、こんなこと、・・・しなかったのに」
「こんなことって?」
「・・・・・・っ」
意地悪に問い返されたらかぁっと頭に血が昇り、顔を赤らめ唇をきつく引き結ぶ。そんなを眺めた先生が、からかうような笑みに表情を変えていく。
教えろよ、とひそめた声で耳の中に囁きかけられても黙っていたら、ちゅ、と唇の端を啄まれる。顎をくいと持ち上げられて、
「・・・・・・ふーん。変、ねぇ」
「え・・・?」
「いや、お前にはこれがそう見えてんだなぁと思って」
どこか苦々しい口調でつぶやくと、の唇に舌を差し入れ口の奥まで踏み込んでくる。
――ほら、やっぱりおかしい。いつもとはぜんぜん違う。
唾液を絡め合うような深いキスに動揺しながら、は思う。
恥ずかしくて口には出せなかったけれど、今日の先生はいつもと違う。先週二人で会ったときのキスは、今日のような深くて激しいキスじゃなかった。
その時も先生に抱きしめられたし、頬や髪を撫でられたりはした。けれど、それ以上のことはされていない。あんな無理強いは今日が初めてだ。
がちょっと胸を押して抵抗を示せば、先生はすぐに察して自ら身体を引いてくれる。
それが二人の間に出来た暗黙の約束だと思っていたけれど、どうやらそうではなかったらしい。
いきなりの変化には戸惑い、ちっともついていけなかった。いや、今も全くついていけていない。
突然に襲ってきた嵐に身体ごと浚われ、何が起こったのかわからないまま身も心も翻弄されている気分だ。
先生と触れ合っているところがどこも熱い。
ただでさえ暑い夏で全身がうっすら汗ばんでいるのに、このままじゃ頭の中まで火照ってしまう。
なんだかこわい。もしもこのまま抱きしめられていたら、一体どうなってしまうんだろう――
「んふ、・・・・・・んっ、せ、んっ・・・・・・せん、せぇ・・・っ」
さっきはこわごわと引いた緩みっぱなしのネクタイを、思いきってぐいっと引っ張る。すると先生は思ったよりも簡単に止めてくれた。
あっさりと皺だらけの白衣が離れていき、先生の体温も離れていく。
唇と唇が透明な糸を引きながら離れ、濡らされたところがすうっと冷える。なぜなのか、胸の中まですうっと冷えていくような気がした。
「――ん。どーした」
無意識に伸びていった手が先生を追い、いつのまにか白衣の袖を握っていた。
不思議そうに尋ねられてはっとしたは「何でもないです」とあわてて白衣から手を放した。それでも先生が目を覗き込もうとするから、顔も逸らして後ろに一歩引き下がる。
・・・一体何がしたかったんだろう。自分から先生を拒んだくせに、離れられたら引き止めるなんて。
だけど、離れてほしくなかった。先生が離れてしまうのがさみしかった。
どうしてだろう。胸の奥がきゅうっと竦んで、痛いくらいだ。
「で、どーすんの。これから教室行っても完璧遅刻だけど、それでも戻るの」
「・・・戻ります。授業で使う本、先生が待ってるだろうし。早く運ばないと」
「・・・・・・ふーん。まぁいーけど」
不安な気分に眉を曇らせながらおずおずと視線を上げると、先生はなんだか拗ねたような顔をしていた。
何があってもあまり表情が変わらない先生だけれど、今はふわふわ跳ねる白っぽい前髪の影で眉間が微妙に狭まっている。
「うちのクラスの古典担当ってどの先生だっけ」
「・・・森村先生」
「あー、じゃあそろそろ行かねーと。あの人時間にうるせーから自分で資料取りに来ちまうかも」
不満そうな表情のままでそんなことを言いながら、先生は眼鏡を掛け直す。
何事もなかったかのように学校の先生の顔に戻ると、机の端に置かれていた数冊の本と辞書を抱えた。さっきが集めておいた、古典の授業で使う資料だ。
「ー」
「は、はい」
「あした、うち来る?」
先生のその一言で、それまでに話していたことがすべて頭の中から吹き飛びそうになった。
えっ、と目を瞬かせて棒立ちしているの前を、サンダル履きの足をぺたぺた鳴らして先生は通り過ぎていく。
明日は土曜で学校は休みだ。これって、家に遊びに来るよう誘われたってことだろうか。が持っていくはずの本と辞書の山を抱えた先生は、足先で扉をがらっと開けて、
「お前、塾の講習で追いつけねーとこあるって言ってたよな。入試対策問題くれーなら他教科でも教えてやれるけど」
「――っ。でも、先生、」
「明日も昼過ぎまで塾だろ。その後で・・・ってまぁ、この話は後でいいか。昼休みまでに考えといて」
出し忘れていた提出物の催促でもするような淡々とした口調でそう言うと、先生は廊下を歩き出す。
向かっている方向は、3Zの教室がある棟だ。
白衣の裾をひらひらさせて離れていく背中を、はあわてて追いかける。
急いで隣に並んでみれば、「俺授業ねーし、暇だから運んでやるわ」と眠そうな横顔が人影のない廊下の先を見つめながらぼそりと答えた。
また心臓がきゅうっと竦んで、は消え入りそうな声でお礼を言った。
――面倒臭がりでどちらかといえば素っ気ないタイプの先生は、間違っても教え子に親切な教師とは言えないと思う。
何を考えているのか判らないというか、一筋縄ではいかなさそうなところもあるし、入学した頃はなんだか近寄りがたいと思っていたくらいだ。
そんな先生でものことは恋人として大切に扱ってくれているのか、人目のない場ならこんな優しさを見せてくれる。
だからこういうことは今まで何度もあったのだが、何度あっても慣れないものだ。
慣れないといえば、先生と二人きりでいる時間にもまだ慣れない。
教壇に立っているときとあまり変わらないだるそうな表情で、先生はの隣を歩いている。
けれど何か声を掛ければ、クラスで見せる「学校の先生の顔」とはほんの少し違う表情を向けてくれる。
クラスの子たちには向けられないはずの特別扱いが嬉しくて、でも、同時にすごく恥ずかしい。
赤らんできた顔を見られたくなくて一歩下がって歩いていたら、今度は二人きりの準備室でどんなことをしたかを思い浮かべてしまって、居ても立ってもいられないくらいの恥ずかしさに襲われた。
そのうちに先生の家に誘われたことも思い出してしまい、嬉しい反面、どうしたらいいのかわからない。どんどん戸惑いが広がっていく。
おかげで足が重くなり、徐々に先生との間が開いていった。
すると距離が出来たことに気がついたのか、サンダル履きの足がぴたりと止まる。先生は振り返らずに、黙って手だけを差し出してきた。
少し迷ってから、はおそるおそる近づいてその手を取った。今は授業中で教室の扉はどこも閉められているし、誰かが来るような気配もない。
校内で、しかも廊下で手を繋ぐなんて大胆すぎてはらはらするけれど、見られることはなさそうだ。
それに―― こういうことをしたいと思っているのは、先生だけじゃない。
だって先生と手を繋ぎたい。まだ学校の外で先生と会ったことはないけれど
・・・もし街でデートして手を繋いだら、こんな甘くてふわふわした幸せな気分になるんだろうか。
「なー、やっぱサボってもよくね。このまま屋上とか行っちまう?」
「〜〜だ、だめですっっ」
「あっそ。そーいうとこ真面目だよなぁは。んじゃ、遠回りだけで我慢するわ」
「・・・・・・っ」
そのくれーならいいだろ、とでも言いたげにくいくいと手を引かれたら、また胸が高鳴ってしまう。
だけど、学校の先生が生徒にサボれとけしかけるなんて。先生ってどこまで大胆なんだろ、とは困った顔で先生を見上げる。
うすうす気づいてはいたけれど、思っていた以上に坂田先生はいけない人みたいだ。
でも―― もう少し長く手を繋いでいたい、と先生も思ってくれているらしい。同じ気持ちだったことが嬉しくて、だめです、なんて心にもない言葉は言えるわけもなかった。
ふぁぁ、と気の抜けた欠伸を漏らしながら歩く白衣姿の後ろを、は落ち着かない思いをしながらついていく。
ぺた、ぺた、ぺた、とゆっくりめに進むサンダルの音が、強い陽射しの白さで染め上げられた校舎にやけに高く響いていた。
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