――待ってなにこれ、わかんない。どーしてこんなことになってるの。
「〜〜っっちょっまっゃやややめっぎっ、っんっ、んぅうぅぅ、っっ〜〜!」
塞がれた口の奥で呻きながらこうなった原因を考えようとしたけど、熱い舌で揉みくちゃにされてぐらぐら揺さぶられてる頭の中に何か考える余裕なんてなかった。
ドアを閉めた瞬間に襲いかかってきた銀ちゃんは呆れるような早業で服を脱がしにかかってくるのに、いまいち状況を理解できない。
ていうかこんなの、信じられない。
壁が分厚くもなければ防音もいまいちな中古マンションの玄関で、こんなことされるなんて信じられない・・・!
――仮装コンテストの後、ハロウィンパレードや大通りの屋台をみんなで一緒に楽しんでから、忘れ物を取りに戻ってきたあたしの部屋。
コスプレ衣装のワンピースの上から脚を撫でる手がざわざわ鳴らす衣擦れの音が、外を走る車やバイクのエンジン音や、下の階のどこかに来た宅配便のお兄さんの声の合間に響く。
頭も背中もドアにべったりくっついちゃってるせいか、外の物音がすごく近い。
てことはつまり、こっちの声や物音もドア一枚隔てたマンションの共用通路に筒抜けになっちゃうってことだ。
それが気になってはらはらしちゃって「やぁあめぇぇてぇぇ!」って口の中でもごもご叫んでくっついた顔を押し返しても、首元の蝶ネクタイを千切れそうなくらい引っ張ってみても、返ってくるのはあたしの抵抗を封じ込めようとする舌の動きか、「んー?」って本当は解ってるくせにわざと解んないふりをしてるみたいなとぼけた響きの返事だけ。
体重を掛けて覆い被さってくる分厚い胸を焦ってべしべし叩いてるうちに、寒気と鳥肌が這い上がってくる。
マントは足許に落とされてブーツで踏みつけちゃってるし、ビスチェはお腹までずり下ろされてるから背中に氷が貼りついてるみたい。
なのにお尻まで伸びてきた手に二枚の薄布ごとやわらかい丸みを撫で回されるたびに、大きな手のひらに包まれたそこだけが熱くなる。
脚の間に強引に挿し込まれた指にもゆっくりふにふに撫でられて、冷えかけてるはずの身体がじわりと芯から蕩けはじめる。
頭ごと腕の中に抱え込まれながら喉の奥まで埋め尽くす舌の動きに荒らされていくと、ん、んっ、んふ、って甘ったるい鼻声が止まらなくなる。
銀ちゃんの胸を叩いてたはずの手は、いつのまにか白いドレスシャツの衿元を握ってぶるぶるしてて。
熱い舌が首筋をちろちろ舐めながら露わになった胸まで這い下りていっても、どうしたらいいのかわかんなくて――
「・・・っ、ゃあ、も、ばかばかぁっ。なんなのもうっ、こ、公園でもあんなにしたくせにっ」
「あー?いやだからーあれはぁ・・・って、あぁ、そーいやぁこんなもんつけてたっけ」
自分の首元を見下ろして面倒そうに舌打ちした銀ちゃんが、ぶちっ。
コスプレ衣装の蝶ネクタイをもぎ取るみたいな手荒さで外して、ぽいっと後ろの廊下へ放る。
ぱしぱしと片手でボタンを外してシャツを胸元まで肌蹴させてしまうと、軽く頭を傾けてふわふわした癖っ毛を揺らしながら迫ってくる。
細めた目尻を下げながらふてぶてしく笑って、
「つーか言わなかったっけ、あれはただの味見だからね。で、こっからが今日の本番な」
「ほっ、ほんっ!?〜〜って、こんなとこで!?」
ちょっと銀ちゃん、ここをどこだと思ってんの?玄関だよ玄関、玄関ですけど?
かろうじて家の中とはいえ、ここだって公園の倉庫裏と危険度はたいして変わらないんだけど!?
びっくりしたら肘がびくって跳ね上がって、横の靴棚にがつんとぶつかる。
かたかたかた、って途端にちいさく震え始めたのは、金木犀に似たオレンジのお花が詰まったハーバリウムのガラス瓶。
万事屋で撮った写真をいっぱい飾ったお気に入りのコルクボードも、ぱたん、ってスタンドから転がり落ちる。
ちょっと動けばドアや壁に腕や腰が当たっちゃう、幅が1メートルくらいの狭い空間。
一人暮らし用のマンションとしてはよくあるコンパクトサイズの玄関だけど――まさか。冗談でしょ。こんなところで?
ドアの向こうをいつ誰が通るかもわかんないのに!
「〜〜っちょっっ待って、待って銀ちゃん落ちついて!
っっとととっとりあえず中に入ろーよとりあえずっっ、ね!?そそっそれにあたし忘れ物探さないとだしっ」
「あー忘れ物な。後で一緒に探してやっからよー、とりあえずぱんつ脱いじまおっかとりあえず」
「っっぎゃぁああああああああ!」
最低すぎて殴りたくなるよーなことをしれっとした顔で言いながら、もぞもぞごそごそ、何の迷いも感じられない手がお腹の方へ侵入してくる。
薄紫のチュールレースがふわふわ波打ってる中をあっというまに掻き分けた指が、ストッキングに包まれたおへそのあたりに触れてきて、
「んぁ?あー、そーいやぁ今日はこれ穿いてんだっけ」
不思議そうに首を傾げてから、あたしのお腹をあちこち撫でる。
指先の動きが妙にやらしい手つきはストッキングの履き口をすぐに探り当てちゃって、ゴム状のそこをぐいって思いきり引っ張るから、さーっ、って血の気が引いていった。
〜〜〜ぅ、うううぅぅううそでしょ?ほんとにほんとに、本気なの!?
今にもストッキングを引きずり下ろしちゃいそうな図々しい手をあわてて掴んで、
「やだやだやだあっっぜったいやだからねっこんなとこでっ」
「平気だって、前のあれも平気だったじゃん。ほら覚えてんだろ、あれ。
外に声聞こえちまうってお前が泣くからずっとちゅーしながらヤったよなぁ、うちの玄関で」
「〜〜〜っっっ」
全身の血が沸騰&逆流してるんじゃないかってくらいの猛烈な恥ずかしさがどどーっと猛スピードで駆け抜けて、絶句したあたしは真っ赤になった。
ばさぁっ、ばさばさばさっっ。
動揺しすぎて一気に力が抜けちゃった手から、屋台で買ったお菓子の袋が離れる。
二人でもつれあうようにして立ってるクリーム色のタイルの上に、色とりどりのアイシングクッキーやキャンディがばらばら飛び散る。
言われた途端に頭の中にぱぁっと広がった光景は、これまで銀ちゃんにとんでもない目に遭わされた中でも最上位クラスのひどい経験っていうか、出来れば二度と思い出したくなかったいかがわしい記憶だ。
・・・そう、あれはまだお付き合いを始めてから間もなくて、えっちした回数もほんの数回程度だったころで。
そういうことは誰の目にもつかない場所でこっそりするものだって信じきってた純情なあたしに、このケダモノ彼氏ときたらあろうことか万事屋の玄関先で襲いかかってきた。
着物と帯はあれよあれよというまにぐちゃぐちゃに崩されて、下着も秒速で剥ぎとられちゃって――人より少し柔軟性があるあたしの身体を面白がったケダモノは、「何これ!?」ってえっち初心者が目を剥いて赤面するような、はしたなくていやらしいポーズばかりさせまくって――
「はは、やっぱ覚えてんだぁ」
はっとして見上げれば、赤面したまま固まってたあたしを眠そうな半目が眺めてた。
いきなりがばっと抱きつかれて、力任せに持ち上げられたら床から踵が浮いちゃって、
「っわ、ぇ、っちょっ」
「だよなーあれは忘れねーよなー。
俺も忘れらんねーわ、昨日のことのように蘇ってくるわ」
「っぁ、ゃあ、もぉ・・・ん・・・っ」
爪先立ちになった足許は不安定にふらふらしてて、余計に身動きがとれなくて。
それをいいことに銀ちゃんは目の前にこぼれ出てるあたしの胸にむにむにむにむに、好き放題に顔を埋めたり、ちゅ、ちゅって軽く啄んだり。
感じやすいところに押しつけられる、やわらかい感触がくすぐったい。
肌を掠める息遣いの艶めかしさにもどきどきしちゃう。
膨らみにほっぺたを擦りつけて気持ちよさそうに目を閉じた顔が、肌をやんわり吸うだけの甘い口づけを楽しそうに繰り返しながら、
「っっとに可愛かったよなぁ〜、あの時のお前。
最初は「こんなとこでしたら別れるうぅぅ!」って嫌がったくせに、最後は俺にしがみついて泣きじゃくりながらイっちまって」
「〜〜だ、だってあれはっ、銀ちゃんが・・・っ、ぁん」
しどろもどろにつぶやいたら、肌に舌を押しつけられた。
濡れた感触にきつく吸われてぞくぞくして、んん、って抱かれた腰を震わせながらせつない感覚を噛みしめる。
何度も何度も吸いつかれて、ちり、って焼け焦がされたみたいな刺激を胸に刻みつけられる。
さらけ出された白い膨らみに植えつけられていく微かな痛みはなぜかせつなさを増幅させて、必死に声をこらえてるだけでお腹が奥から疼いて苦しい。
それでも銀ちゃんは肌にぴとって熱い唇をくっつけてくるし、いくらあたしが抵抗しても分厚い身体はびくともしない。
左胸の至るところに吸いついて、鮮やかな赤い印を散らしていった。
「・・・ん、ん・・・ゃん、っ」
「なぁ、いいだろ。お前、ちゅーしながらヤるといっつも気持ちよさそうだし」
「ぁ、め、だめぇ、ここじゃ、やぁ・・・」
白っぽい頭の跳ねた毛先をくしゃりと掴んで、弱りきった声で「もぅ、やめて」って頼む。
そしたら銀ちゃんは上目遣いに視線を合わせてきて、呼吸が乱れて肩で息をしてるあたしの顔をしげしげと眺めて。
かと思えば可笑しそうに顔中を緩めて、くく、って籠った響きの笑い声を漏らして、
「あー悪りぃ。ここにちゅーしてやんの忘れてた」
「っや、あ・・・!」
あたしの両腕を後ろのドアに押しつけて拘束すると、銀ちゃんの舌は肌を舐めながらつうっと左の膨らみを這い下りていった。
目の前に晒された白い丸みの中心に、
――ちゅ。
色づいたちいさな先に唇をやんわり押しつけられたら、じぃん、って甘い痺れが胸から足先まで広がっていく。
「っ、だめぇ」って腰を捩って押さえつけてくる腕を振りほどこうとしたけど、右の膨らみを下からふにゅって掴み上げられて。
長い指がやわらかいところへ沈んでいく気持ちよさをぎゅって目を瞑ってこらえてたら、
「ぁっ、ゃ、〜〜んっ」
さっきキスされた左胸の先を、火照った何かがぬるりと撫でる。
止める間もなく熱い口の中に含まれてしまったそこは、胸のどこよりも感じやすくて弱いところだ。
くちゅくちゅ、くちゅって舐められてざらついた粘膜に濡らされて、くぐもった水音を立てながら飴玉みたいに転がされる。
何度も何度も尖った舌先につつかれて、たまにぴんって弾かれて。
そのたびに身体中がびくって震え上がって、敏感なところを弄られる気持ちよさが手足の先まで痺れさせていくから泣きたくなっちゃう。
「はぁ・・・んっ、ゃあ、っも、やぁ」
「なぁ、ほんとは嫌じゃねーんだろ。のここ、公園で舐めたときより反応いいんだけど」
「ち、ちがぁ・・・っ、はぁ、んっ」
舌や唇で弄られるたびにどんどん敏感になっていくピンク色の蕾が、「違う」って言い張ろうとしたあたしの言葉を否定するみたいにつんと尖って硬くなっていく。
魔女っ娘衣装のせいでブラを付けられなかった膨らみも、大きな手のひらの中で転がすみたいに揉みしだかれた。
長い指に力が籠ってゆっくり握りしめられるたびに、っ、っっ、って息を詰めて震え上がっちゃうし、指から力が抜けていくと、はぁ、って口から甘ったるい吐息がこぼれて全身から力が抜けそうになる。
繰り返されたら甘い痺れがお腹を底から満たしていって、ドアに圧しつけられてる脚や腰は、銀ちゃんの唇や手が動きを変えるたびにもどかしく疼く。
頑張って突っ張ってた膝がぶるぶる小刻みに震え始めたら、太腿からも少しずつ、へなへなぁって力が抜けていった。
「〜〜っ、も、むりぃ。立って、のぉ、むりぃ・・・っ」
「んだよ、もうイきそーなの。そんならあれな、おねだりしてみな。
銀ちゃんベッドまで連れてって、もっときもちいーことしてぇ、って」
普段通りにすっとぼけてるのに目つきはすっかり熱を帯びてる顔が、胸の先を舌で撫でながらこっちを見上げる。
からかわれるのが悔しいのに、あたしの身体は銀ちゃんの歯や舌が肌に当たるたびにびくびく跳ねて左右に捩れた。
んっ、んん、って唇を噛んで気持ちよさを我慢するたびに、身体中が火照っていく。
瞼の裏に涙が滲んで、視界がぼうっと霞んでいく。
淡いグレーのストッキングに包まれた脚が、まっしろな癖っ毛越しに見え隠れしてる。
膝をかくかく震わせてる脚の付け根――精一杯に力を籠めて、ぎゅっと閉じてるところ。
腰が左右に捩れるたびにそこがショーツのクロッチ部分に擦れて、ぴったり張りついてる薄い布地がじわじわ潤んでいくのがわかる。
だけど自分じゃどうにも出来ないから泣きたくなって、ただでさえ霞んでた目の前が雨に濡れたみたいに曇っていった。
ああ、まただ。銀ちゃんとえっちするようになってから、あたしの身体は前とはすっかり変わっちゃった。
どうしてすぐにこんなになっちゃうんだろう。これじゃあ銀ちゃんが言ってた「おねだり」をしてるみたいだよ――
ショーツの内側に隠してる恥ずかしい秘密を知られたくなくて、かぶりを振って上半身を捩る。
だけど銀ちゃんは拘束したあたしの両腕をさらにがっちり抑え込むと、何の抵抗も感じてもいなさそうな顔つきで手の中の膨らみを弄び続けた。
「ぁ、んん・・・っ、ね、おねがぃ、こ、ここじゃ、だめ、ぁん」
「んー、まぁ涙目でそーいうおねだりされんのも悪かねーけどー」
両腕をドアに縫い止めてた手がふっと離れて、窮屈だった姿勢から解放される。
けれどその手はすぐに目の前へ迫ってきて、太くてごつごつした指にもう左の胸も握りしめられて、
「んっ、ゃあ・・・んっ」
「せっかく魔女っ娘コスプレしてんだから、もっとそれっぽいやつも聞きてーよなぁ。
たとえば銀さんの前で脚開いて「あぁんヴァンパイアさまぁ、ヴァンパイアさまのおっきい牙でに魔力供給してぇ」とかぁ」
「っふ、ふざけないでよぅ、ぎ、ちゃ・・・あぁっ!」
笑い混じりにささやいた顔を耳まで赤らめて押し返したら、銀ちゃんの両手に力が籠る。
ふにゅ、ふにゅ、って強弱をつけながら胸を揉みしだく長い指は、あたしが感じるところばかりを狙いすまして沈み込む。
膨らみをぎゅうって絞られる感覚がお腹の奥まで何度も巡っていって、それだけで背筋がぞくぞくしちゃって逆らう気力もなくなってしまった。
握り潰そうとしてるような仕草で深くゆっくり捏ねられて、物欲しそうに色づいた左胸の先を親指と中指の腹で擦り上げられて、たまにきゅうって摘まれて。
敏感なところに繰り返される愛撫のせいで膨らみは何度もぶるりと跳ねて、そんな時に口内でくちゅくちゅ揉まれてた右胸の先を、ぴん、って舌先で弾かれる。
「っっ!」っていきなり襲ってきた刺激の強さに息を呑んで仰け反った全身は、一気にがくりと力尽きて銀ちゃんの腕の中へ倒れ込んでしまった。
「・・・っ、ぁ・・・っ、はぁっ、はぁ、は・・ぁ・・・・っ」
「ー、今イっただろ。イったよなぁ、かわいー声出てたし」
「うぅぅ〜〜・・・、ち。ちがうぅ・・・ちがうもぉ・・っ」
「へー、イってねーんだ。じゃあイくまで可愛がってやんねーとな」
「っぇ、ぁ、ゃっ、もぉ、ゃ・・・んっ」
弾かれた余韻でまだじんじん痺れきってるところを、銀ちゃんがゆっくり甘噛みする。
こらえきれずに声を上げれば視線だけをこっちへ向けて、わざとあたしに見せつけるみたいに濡れた唇がにんまり笑った。
そこから覗いた白い歯が、尖った先を小さな蕾に突き立ててくる。
硬くて濡れた感触にやんわり噛みしめられた途端に悲鳴が漏れて背筋が跳ねて、こぼれた涙が頬を濡らしながら流れ落ちていく。
あたしの反応に気を良くしたのか、銀ちゃんは何度もそこに齧りついてきた。
感じやすいそこに繰り返し刻みつけられる、甘い痛みをこらえきれない。
髪を振り乱しながら何度もびくびく震え上がって、後ろでドアががたがた揺れる。
とても自分のものだなんて思えないような、蕩けきったいやらしい声ばかり上げ続けて――
「・・・ひ・・・ぅ、ら、めぇ、かじっちゃ・・・あん、ぁあ、んっ」
かり、かりってまるでそこを食べようとしてるみたいに噛まれるたびに、ドアに凭れた背筋が跳ねる。
手のひらに収めた両方の膨らみをゆっくり回すような動きで揉みしだきながら、銀ちゃんは玄関のタイルに跪く。
目尻に大粒の涙を溜めて震えながら声をこらえてるあたしに、ちろ、って窺うような視線を投げかけてきて、
「ほらほら早くおねだりしねーと、もっときもちいーことするよ。それでもお前、声我慢できんの」
「っ、んなの、むりぃ、ここじゃやらぁ、ゃあ・・・っ」
「っだよ、だめなの。もう家ん中だぜ、もういいじゃん。つか、早く言ってくんねぇとこっちもそろそろ限界なんだけど」
俺さぁ公園からずっとお預け喰らってっから、もう待てねぇんだけど。
はぁ…、って、舌の上で転がしてるそこを火照った溜め息で撫でてから、もどかしそうにつぶやいた。
あたしが欲しくてたまらなさそうなその声のせいで身体はもっとぞくぞくしちゃって、首筋や唇までぶるぶる震えて止まらない。
両胸から這い上がってくる乾いた手のひらの熱と、ねっとり絡みつかれた舌や粘膜をとろとろに蕩かしちゃいそうな口内の熱。
ふたつの熱が送り込んでくる快感が同時に身体中を駆け回るから、身体は勝手にびくびく跳ねる。
必死に唇を噛みしめても両手で口許を覆っても、こらえきれなかった甲高い声が唇の端から漏れちゃってる。
ドアががたがた揺れる音と一緒に、薄暗い玄関に響き渡る。
どうしよう。これじゃあ外に聞こえちゃう。
どうしよう。
ドア一枚隔てただけの場所でこんなことしてるって、外の誰かに気付かれちゃったら――
「ー、口押さえてっと苦しいだろ。どうせ誰もいねーんだから声出せよ」
「ぇ、ぁ・・・――っっひ、ぁあっ」
精一杯力を籠めてる膝頭の間に、銀ちゃんの手が割り込んでくる。
ざわざわ、ざわ、ってスカートの下のチュールレースごと捲り上げながら太腿の隙間を昇ってきた手が、ショーツのクロッチ部分をふにゅって強めに押し上げた。
それだけであたしの背筋はびっくりするくらい大袈裟に仰け反って、あん、って大きな声が喉から勝手に飛び出して。
なのに銀ちゃんは、ふにゅ、ふにゅって、弱いところに狙いをつけて擦り上げてくる。
硬い指の腹を深めにぐっと押しつけられるたびに、そこから頭の天辺までを痺れさせる何かが突き抜ける。
もっと深いところまで潜り込もうとする指の動きに追い立てられて、甲高い悲鳴を上げながら何度も何度も仰け反った。
ふぇぇ、って啜り泣きながら、いつのまにか口許から離れちゃってた両手でぼうっと光る銀色の頭にしがみつく。
癖だらけの髪や薄く汗を掻いた肌から漂ってくる男の人の匂いを吸い込みながら、はぁ、はぁって息が上がって苦しくなった胸を上下させて、
「んっ、んふ、っぅ、ゃん、っだめ、だめぇ・・・っ」
恥ずかしさなんて感じる余裕もなくなって、銀ちゃんの顔に夢中でぎゅうぎゅう胸の膨らみを押しつけて頼む。
おねがい、やだ、って髪を振り乱しながらかぶりを振る。
それでもやめてもらえなくて、いくら頼んでもくつくつ笑うだけの唇に固くなった蕾をちゅうちゅう吸われて。
膝ががくがく震えちゃって今にも崩れ落ちそうな身体は、圧しつけられたドアに腰を支えられてるだけの姿勢で不安定にぐらぐら揺らされ続けた。
「っひ、ゃう、ぁ、あぁんっ。・・・めぇ、こぇ、でちゃ・・・きこぇちゃぁ・・・っ」
「なぁどーする、誰か来たら。ぜんぶ聞かれちまうよなぁ、こんなとこできもちよくなってる魔女っ娘ちゃんの喘ぎ声」
「ゃ、やぁ、ちがぅ、もっ、きもち、く、な・・・っ」
「へー、そんなえろい声出てんのに感じてねーんだ。こんなに濡れちまってんのに?」
「――ぁっっ、っあ、ゃ・・・!」
くちゅ。くちゅり、ぐちゅ、くちゅ。
薄いショーツと、ショーツよりも薄くて透けてるストッキング。
二重に布が貼りついたそこに割り込んできた指は強引で、火照りきった割れ目の内側まで深く潜り込もうとしてる。
腕を掴んで抵抗しても、濡れた布地を纏わりつかせた硬いものをずぷって中へ突き立てられて、
「――んぅ、ん・・・〜〜っ!」
ぐちゅんっ。
自分では触れたことがない身体の内側で、濁った水音が鳴り響く。
布ごと押し込まれた異物感に胸を弾ませて仰け反って、震える唇を噛みしめた。
白いシャツの袖を鷲掴みして訴えても、内腿にぎゅって力を籠めて拒もうとしても、太くて熱い指先はそこからちっとも離れてくれない。
離れるどころかもっと深くまで押し込まれて、ぬかるんだ内側に指の腹を擦りつけるみたいに抜き挿しされた。
節が太くてごつごつした感触が擦れるたびに敏感なところはじくじく痺れて、もう声を抑えるどころじゃなくなって。
あ、あ、あ、ぁあん、っってうわずった喘ぎ声が止まらなくなる。
自分でもじっとり湿ってるのがわかるショーツの内側からは、濁った水音が繰り返しこぼれた。
「〜〜ぁっ、ゃあん、ひぁ・・・!」
「・・・うっわ、大洪水じゃん。なぁこれ、脱がせたら床までこぼれちまうんじゃねーの」
とぼけた口調で尋ねてきた銀ちゃんが、指の動きを早めていく。
すっかり蕩けてとろとろになったところを、ぐちゅ、くちゅ、ってわざと大きな音を鳴らしながら嬲られて――
「っひ、ぅう、っゃ、ゃらぁ、きこえ、ちゃぁ・・・っ」
「聞こえるって、なにが。何が聞こえちまうの」
「ぁっ、あぁ、って、外に、ぁっ、こえ、ぁん、あぁ」
「だよなー、聞かれちまうよなぁ。じゃあちゅーしながらヤる?
うちの玄関でヤった時みてーに。俺がこの足持ち上げて、立ったまんまでヤってみる」
「・・・っ!」
からかうような口調で囁かれて、意味深ぽくてやらしい手つきに太腿をゆっくり撫で上げられる。
それだけでぞくぞくしちゃった素肌がたちまちに粟立っていって、同時に思い浮かべたのは顔に火が点きそうになる恥ずかしい光景だ。
――夕暮れ時で茜色に染まってた万事屋の玄関。ぎしぎし軋んで煩かった古い扉。
あたしを扉にぎゅうぎゅう押しつけてくる分厚い身体や、玄関先に響く気持ちよさそうな呻き声、動物みたいな荒い息遣い。
夕陽を反射させる白い癖っ毛が目の前でゆらゆら揺れてるのがまぶしくて、扉に押しつけられながら悶えるあたしを愉しそうに見つめてる目も妖しい光を放ってた。
はしたなく開いた足の片方をうんと高く上げられた格好で激しく突かれて何度も達して、銀ちゃんの首にしがみつきながらがくがく揺さぶられるだけになってた自分。
どれも人には死んでも言えない恥ずかしい秘密で、出来るものなら記憶の中から消し去っちゃいたいくらいで。
なのにちょっと思い出しただけで、長い指がぐちゅぐちゅ掻き乱してるところの奥を、あのときに感じてたのと同じ甘い疼きが締めつけていく。
電流みたいに突き抜けていく気持ちよさにあっけなく呑まれて――
――あぁ、だめ。でちゃう。声、出ちゃう・・・・・・!
「〜〜〜っっぁ、ぁあ・・・ん・・・っ!」
脚の間に潜ってる分厚い手が動きを止めてしまうくらいに強く、震える太腿で挟みつける。
そんな仕草だけで、勘のいい銀ちゃんは気付いちゃったみたい。
ちろりとこっちを見上げると、肩を揺らして可笑しそうにくつくつ笑う。
一度は唇を離してくれたあたしの胸に、もう一度舌を伸ばしていった。
「〜〜んっ、っも、ゃぁ。なめちゃ、めぇ・・・っ」
「そーいやぁあの後しばらくよー、うちの玄関に入るたびに赤けー顔してもじもじしてたよなぁ。
なぁなぁあれって何だったの。やっぱ思い出してた?」
「・・・っっ。ち、ちが、ぁんっ、ぁっ」
熱い口に飲み込まれた胸の先が、ぬるり、ぬるりと舌で揉まれる。
まるであたしのそこから滲み出てるものをすべて味わい尽そうとしてるみたい。
ちゅう、ちゅって唾液を絡めながらやわらかく吸って、歯を立てて軽く甘噛みして――器用に蠢く舌先であたしにいっぱい恥ずかしい声を上げさせると、脚の付け根に滑り込ませた指を動かしながら銀ちゃんはゆっくり頭を上げた。
意地の悪い含み笑いに緩めた顔が、ぬるぬると滑る指の感触に喘ぐあたしを何か言いたげに眺めてる。
「ー、正直に言っちまえって。
思い出したらそれだけで濡れちまって、それでもじもじしてたんじゃねーの」
「〜〜ぅうう、ばかばかぁ、銀ちゃんのばかぁっ。ど、してぇ。どぅして、きょうは、こんな、いじわる、ばっかりぃ・・・っ」
ひどい。ひどいよ。絶対わざとやってるでしょ。
今日の銀ちゃんてばドS属性全開だ。
沖田さんに呼び出されたあの倉庫裏でも、うちに戻ってからもやりたい放題。
わざといやらしいことを言ってあたしの反応を面白がるのはいつものことだけど、ここまでしつこく追い詰めてくることなんて滅多にないのに・・・!
飛び出そうになる喘ぎ声を噛み殺しながら、情けない涙目で睨みつける。
するとそれまではムカつく薄笑いを浮かべてた顔が、なぜかすっと表情を消した。
胸の先を舐めてた舌の動きや、太腿でぎゅうって挟みつけてる手の動きまでなぜか止まる。
たっぷり弄られてひどく感じやすくなったところを口の中に含んだまま、喉の奥から皮肉っぽい笑い声を漏らした。
「そりゃあ銀さんが怒ってっからじゃねーの。理由は教えてやんねぇけど」
「・・・っ、なにそれぇ。り、理不尽すぎっ」
「んー、そこはあんま言いたくねーっつーか。情けねぇとこ知られたくねーし、くだらねー意地もあるし?」
笑う唇から伸びてきた舌先に、つんと尖った薄赤い蕾を掬い上げるみたいな仕草で舐められる。
熱くてざらついた感触がゆっくりそこから離れていけば、とろりと濡らされたあたしの胸から透明な糸が延びていく。
ちゅ、ってもう一度蕾を啄んでか細い糸を断ち切ると、銀ちゃんは苦笑混じりな溜め息を漏らす。
軽くうつむいてるせいで表情はよくわからないけど、笑ってる口許だけが涙で曇ったあたしの視界にぼんやり映った。
「とにかく秘密な秘密。それによー、お前に話したってどうせわかんねぇだろうし」
「っっ、ぇ、な・・・っ!?」
どことなく意地悪っぽい目つきでこっちを見上げた銀ちゃんが、あたしの腕を強引に引っ張る。
拒む余裕もないくらいの素早さで引っ張られた先には、ハーバリウムの瓶がかたかた鳴ってる薄い靴棚が待ち構えてて。
そこに両手で掴まるような姿勢にされた瞬間、左の脚を膝から無理やり持ち上げられた。
太腿に指を食い込ませた力強い手の感触にどきっとした時には、銀ちゃんはもうあたしの脚の間に跪いてて。
掴まれてた太腿を胸の横まで上げさせられて、スカートも捲れてぜんぶ露わになったそこへ、すかさず顔を近づけられて――
「〜〜っっゃ、あ・・・っ!」
ストッキングとショーツで二重に覆われた谷間に、ちゅ、ちゅ、ってやわらかく吸いつかれる。
生々しく滑る湿った熱が、浅めにそこへ割り入ってくる。
ストッキングの内側に秘められたところがどうなってるのかを確かめてるみたいになぞり上げて、ぴったり張りついた薄い編地ごとショーツをじっとり濡らしていく。
それだけでもたまらなくて靴棚にしがみついちゃったのに、
――はぁっ。
もどかしそうに息を吐いた唇を思いきり押しつけられて、火照った吐息を吹きかけられる。
やん、って腰を浮かせて仰け反っても、逞しい腕は逃がしてなんてくれない。
太腿の内側を力任せに鷲掴みされて、やわらかいところへ沈んだ指先の硬さに震え上がってるうちに腰からぐいっと引き戻されて、
「お。今日の下着黒じゃん、めずらしー」
「っひ、ぁあ」
あられもなく開かされたそこに、何のためらいもなさそうな顔がすかさず齧りついてきた。
れろれろ、れろ、ってストッキングの縫い目越しに何度か舌を上下させてから、ちゅう、ちゅうってきつく吸う。
奥に隠れてる敏感な芽を、尖らせた舌先でつんって押す。
お腹の底に電流が走ったみたいな鋭い痺れと快感に、あたしはぶるりと震え上がった。
「〜〜っっあぁんっ」
ぬるりと舌全体で舐め上げられたら、それだけで腰が砕けちゃいそうになる。
声を出しちゃいけないってわかってるのに、甲高い声で叫んでしまう。
「へー、お前こーいうの持ってたんだ」
ふと横へ視線を逸らした銀ちゃんが、ストッキングの内側に見つけたものを眺めてにんまり笑う。
きっと今履いてるショーツのことだ。
フリルをあしらった新しい下着は、両脇をリボンで結んで留めるちょっと心許ないデザインで。
コットンレースの生地の可愛さに一目惚れしてついつい買っちゃったんだけど、普段使ってるものに比べたら布地の面積も小さめですごく大胆だ。
「やらしーなぁちゃん。短けースカート恥ずかしいって嫌がってたくせに、その短けースカートの下にこんなえろくて脱がせやすいもん着けてんの」
「うぅ、ちが・・・っ。んなつもり、じゃ」
「お前にそんなつもりなくても、そんなつもりにしか見えねぇって」
太腿に絡みついてきた長い腕が、あたしの腰を抱え上げる。
靴棚にがっちり抑えつけながらお尻や太腿を撫で回して、淡いグレーの膜が張りついた左の太腿の内側に唇を落とした。
ちゅ、ちゅ、ちゅぅ、って感じやすいそこに吸いついては赤い痕を残しながら、濡れたショーツが張りついてる蜜口のほうまで這い下りていって、
「なぁなぁ、ストッキング脱いでくんね。のここ、すげぇ美味そうだから舐めてぇんだけど」
「っっゃ、らめぇ、ぁっ、あっ、〜〜・・・っ!」
じゅう、って音を立ててきつく吸いつかれたら、熱い唇を押しつけられたところがきゅんってせつなく痺れ上がっていく。
苦しいのにどこか甘いその痺れは、叫んで逸らした頭の天辺から一瞬遅れて突き抜けていった。
がくん、って崩れ落ちそうになった腰を、銀ちゃんが靴棚に凭れさせる。
もう少しでしゃがみ込んじゃいそうだった身体はそれでどうにか支えられたけど、まだお腹の奥に残ってる痺れのせいで両脚が震えて止まらない。
「ふーん、今日は舐めさせてくんねーんだ。そんじゃもう挿れちまう?ストッキング破ってもいい」
「っぁっ、ぅ、あ、あっ、あぁ、んっ、っぁあん」
ちゅく、ぬる、ってやわらかい割れ目を軽く啄んだりなぞったりしながら、いつもの声よりもすこし低めで艶めかしい響きが尋ねてくる。
やだ、やめてって言いたくても、喉からせり上がってくるのは淫らで物欲しそうな喘ぎ声ばかり。
お腹のあたりに擦りつけられた髪を、震える指で引っ掴む。口に出して拒む代わりに、何度もかぶりを振ってみる。
それても銀ちゃんは知らんぷりだ。ストッキングの上から熱い舌を這わせる合間に、こっちを窺うような視線をちろりと一瞬向けるだけ。
(まぁ、嫌がられてもやめてやんねぇけど。)
瞼を伏せた気怠そうな目つきには、はっきりそう書いてあった。
「いいよなぁ別に、ハロウィンだし。
銀さんクッキー貰えなかったし、ちょっとタチの悪りぃいたずらしても今日なら許してくれんだろ」
「〜〜っゃあ、やらぁ。こんなとこで、やぁ」
「しっかし変わったよなぁお前。何にも知らなかったお子ちゃまが、こーんなえろい身体になっちまうんだもんなぁ。
つってもまぁ、中身は相も変わらず男心のわかんねぇお子ちゃまだけどな」
「〜〜んっ、あぁん、ぉねがぁ・・・も、むりぃ・・・っ」
目の前で揺れてる銀色の髪にしがみつくみたいにしてぎゅうって握ったら、ふ、って銀ちゃんが小さく笑う。
くちゅくちゅ、くちゅん、って音を鳴らして、クロッチ部分を外側から舐め始めた。
舌を上下に動かされるたびに、身体を支えてる右の脚も、抱え上げられた左脚もぶるぶる震える。
ぬるぬるした熱いしずくがどんどんショーツまで溢れてきて、今にもストッキングまで染み通りそう。
ううん、もうとっくにとろとろ染み出して銀ちゃんに舐められちゃってるのかも。
恥ずかしすぎて泣きじゃくりたいような気分で漏れてくる嗚咽を噛みしめてたら、熱い舌がふと動きを止める。
はぁ、って荒れた溜息に唾液で濡らされたショーツの薄布を掠められて、
「・・・なぁ。これからは呼び出されても断れよ。俺が言うのもなんだけどちょっとやべーとこあるしな、あれ」
「ぇ・・・、っ、あれ、って、ぁっあ、あっ」
「ん。あれってあいつな、沖田くんな」
「っっ、ぁ、あ、ぁ〜〜・・・っ」
布地の内側も外側もどろどろに濡れちゃったそこを、舌先でそうっとなぞられる。
尖らせた熱にほんの少しだけ、布越しに弱く掠められただけ。
なのにお腹の奥で膨れ上がってる痺れが頭の天辺まで貫いて、銀ちゃんに掴まれた両脚ががくがく揺れる。
ぼうっと火照った頭の中は快感で埋め尽くされちゃって、何のことを言われてるのかもよくわからない。
「・・・ぁぅ、ゃ、ふぁあ・・・・・・・・・・ぉ、きた・・・さ・・・ぁ・・・?」
――どうしてここで、沖田さんの名前が出てくるんだろう。
すっかり蕩けきった目でぼうっと銀ちゃんを見つめながら、途切れ途切れに尋ね返す。
そしたら銀ちゃんは、汗で濡れた前髪の影からこっちを見上げてきた。
呆れきったような表情で眉を下げて、かと思えばふいと視線を逸らして。ふぅ、ってちょっと疲れてそうなかんじの吐息を漏らしてから、
「お前さぁ、どんだけ間一髪だったかわかってる」
「・・・・・・・・・ぇ・・・?」
「ったくよー、壁ドンされてんの見つけた時は参ったわ。あそこに俺が間に合わなかったらどうするつもりだったんだよ」
「・・・ぇ、って、きたさ、あっ、っっひ、あぁんっ」
舌でやんわりなぞられてからずっとじんじんしてるところを、じゅ、って勢いよく吸い上げられた。
たまらずにぶるりと胸を弾ませて外まで届くような悲鳴を上げたら、熱い唇がぐちゅりとむしゃぶりついてくる。
まるであたしに何か考える隙を与えたくないみたいな、激しくてめちゃくちゃな舌遣いが布の奥で痺れきってる小さな芽を嬲り始めた。
・・・どうするつもりって、どうして・・・?
どうして銀ちゃん、そんなこと訊くの。
もし銀ちゃんが来てくれなくても、あれ以上のことはなかったはずだよ。
沖田さんはただからかってただけだって、遊びで口説いてたんだって、銀ちゃんもあの時言ってたじゃない――