――叶いそうになかった片思いが両思いへ変わってから、何回も何回も、何回も何回も何回も――
こんなにたくさんしても飽きないのかなぁって不思議になるくらいに、数えきれないくらいに繰り返されてきたこと。
銀ちゃんがあたしにしてることは、どれもいつもと変わらない。
好きな人とするキスの蕩けそうな気持ちよさ。
触れられるだけで震える身体や情けなく崩れた泣き顔を全部見られてしまう恥ずかしさと、そんな恥ずかしさも忘れさせてしまう、長くて硬い指の感触。
荒い息遣いを漏らす唇に甘い声で名前を呼ばれて、自分がどこにいるのかも、どんなことをされてるのかもわからなくなるくらい求められて、身体もこころも抱きしめられて、ぜんぶ預けきってるときにだけ感じられる嬉しさ。
銀ちゃんの彼女になってから、まるでそうするのが当たり前みたいになっていたこと。
(人目に晒されることがなくて、二人きりになれる場所)
2つの条件に当て嵌まる場所を選んでは、数えきれないくらいに繰り返されてきたこと。
だけど――いくら人目につかない小路の奥でも、くらやみの中で二人きりでも。
ここはいつもとは違う場所で。
冷たい外気に体温を奪われてしまう夜空の下で。
押し込められた路地の隅っこでいやらしく喘ぐ自分の姿を、いつどこの誰に見られてもおかしくなくて。
そんなあたしを黙って見てる銀ちゃんの目つきも表情も、いつもとは全然違ってて――
「っぁ、ぎ、ちゃあ、ぎん、ちゃっ・・・・・・っ」
くすぐるようにざわざわと素肌と擦れる髪を掴んで、泣きじゃくりながらぎゅうぎゅうと引っ張る。
銀ちゃん。やだ。銀ちゃん。やめて。
抑揚が狂ったおかしな声で短い拒絶を繰り返してたら、胸元に埋まった白銀の頭が角度を変えて少しだけ上向く。
あたしの胸にむしゃぶりついてる熱い口の奥から、腹立たしげな溜め息が漏らされた。
「ー。さっきからえろい声だだ漏れになってんだけど」
「〜〜〜・・・っ。ら、って、むりぃ・・・でちゃ・・・っ」
「無理ぃ、じゃねーだろ」
「〜〜〜っあっ、っひ、ぁぁ」
くちゅ、くちゅ、じゅるり。まるで拒んだお仕置きだとばかりに、右胸の先の芯を持ったところにぬめった熱が絡みついてくる。
弄られすぎて痛いくらいに尖ったそこを強く吸われて、舌先で乱暴に扱かれる。
熱い粘膜とざらついた舌で嬲られてばかりの先端は、ほんのちょっと舌先で突かれるだけで痺れちゃうくらい敏感になってた。
唾液を絡められたせいでとろりと濡れ光ってる左胸の先も、爪先で何度も弾かれる。
銀ちゃんの指で意地悪されるたびにふるふると揺れるちいさな蕾は、つんと尖って腫れ上がってる。
見慣れた身体の一部なはずなのに、なんだかすごくいやらしい。
まるで男の人を誘ってるみたいに色づいて、もっと触ってほしいっておねだりしてるみたいに立ち上がって――
どんどん淫らになっていく自分の身体をもうこれ以上見ていられなくて、あたしはきつく目を閉じた。
ちゅ、って先端を啄んだ唇が離れていって、すっかり敏感になったそこを冷えきった夜風に撫でられる。
たったそれだけのかすかな刺激で、身体の中心から何かがぞくぞくとこみ上げてきた。
腰や背筋まで伝っていくその感覚を手足の先まで震わせてこらえていたら、うっすらと汗ばんだ膨らみをつうっと舌先で舐め上げられる。
あんっ、って思わず声が漏れて、びくんと全身が震え上がった。
「っ・・ゃあ」
「ー。何でこんなことされてんのか、判ってる」
どうでもよさそうな投げやりな声で尋ねると、あたしの手首に巻き付いた布の端っこを乱暴に引っ張る。
下を向けば目に飛び込んでくるのは、肌に跡が残りそうなくらいきつく縛られて一纏めにされた自分の手首。
そこにぐるぐる巻きつけられて、固結びで止められた赤いニット地。銀ちゃんが巻いてたマフラーだ。
「お前が俺のお願いきいてくんねーからだろ。なぁ、、頼むから。俺だってこんなことしたくねーんだって」
「・・・っ」
「ちゃーん。いい加減にしてくんねーとマジでブチ切れるよ。ほら、意地張ってねーで出せよ携帯」
「〜〜だ、だめっ。それは・・・だって・・・」
しどろもどろに口籠ってたら、銀ちゃんは舌の動きを止めた。
上目遣いな怖い目つきが、あたしの考えを読もうとしてるみたいに疑わしげに見つめてくる。
前のホックを外されてしまって脇にだらりと垂れ下がってるブラと、下の丸みが帯の上に乗っかるような格好で曝け出された白い膨らみ。
帯との境い目あたりに押しつけられた唇から、ちっ、って舌打ちみたいな音がこぼれる。
あの唇からあんな舌打ちがこぼれたのは、もう何度目になるんだろう。
泣き言ばかり言うくせにスマホは絶対に渡そうとしないあたしの態度が、銀ちゃんは本当に気にくわないみたい。
「――っ、ぁ、んん、っ、ぅ・・っ」
一度離された先端が、赤い舌先に掬い取られる。弄ぶように舐め回されて、熱い口の中へ飲まれていく。
ちゅっ、じゅうっ、てきつく吸い上げる舌の動きは乱暴で、硬くなった乳首を引っ張られるたびに唇を噛んで声をこらえる。
銀ちゃん、やっぱり怒ってるんだ。
そう思ったらかなしくなるのに、好きな人に触られて喜んでる身体はざらついた感触に絡みつかれるたびにびくびく震える。
お腹の奥の深いところでは甘いもどかしさが膨らんでいって、舌先がぬるぬる蠢くだけでじいんと痺れて熱くなる。
・・・違う。違うのに。そうじゃないのに、違うのに。
銀ちゃんにスマホを渡せないのは、意地を張ってるとか逆らおうとしてるからとか、そんな理由からじゃない。
ああ、でも――どう伝えたらわかってもらえるんだろう。
何度もそんなことを思ったけど、銀ちゃんはあたしの言い訳なんて聞きたくもないって思ってるみたい。
何か言おうとするたびに伏せられた目がこっちを向いて、熱い口内に閉じ込められた蕾は激しい舌遣いで責め立てられた。
胸元で小刻みに揺れてる銀ちゃんの頭に、涙が伝って冷たくなったほっぺたや唇を押しつける。
ざわざわ揺れる銀色を噛みしめて、腰から這い上がってくる熱や痺れを震えながらこらえた。
喉の奥から湧き上がってくる声をどうにか我慢したかったけど、息苦しくてすごくつらくて、すぐに目尻から涙が溢れた。
もう無理だ。こんなに必死に我慢してるのに、限界がすぐそこまで来てるって自分でもわかってしまう。
身体の内側で膨れ上がっていく熱い疼きを散らしたい。いや、いや、って駄々を捏ねるみたいに抱かれた腰を左右に捩じって――
「うぅ・・・やだ・・・ぁ、っも、だめぇ、がまん、できなぁ・・・っ」
「・・・」
乳首を深く飲み込んで舐め回してた唇が、熱い口の奥で舌打ちを鳴らす。
かと思えばその舌先でぴんと先端を弾かれて、あんっ、ってあたしは背中を逸らした。
動くな、って戒めるみたいに腰をがっちり抑えつけられて、
「っあぁん」
薄赤く腫れてじんじんしてる敏感な蕾が、かりっと強めに甘噛みされる。
やだ、って涙声を漏らしても、尖った歯の先を立てられたり、きつく絡みついてきた舌に、じゅるっ、って派手な音を立てて吸われたり。
ぬるぬるした熱に閉じ込められた胸の先は、それまでよりもうんと荒々しく弄ばれた。
それだけでもじぃんと全身が痺れて噛まれるたびに悲鳴が出るのに、脇腹を這ってきた大きな手のひらが右の胸を鷲掴みにして。
やわらかい膨らみを絞りきろうとしてるみたいに、長い指は膨らみに食い込む。
いつもとは違う乱暴な手つきにぐいと掴まれたやわらかさが、分厚い手の中で形を変えながらめちゃくちゃに揉み潰されていく。
加減もつけずに握られるたびに痛くて声が出ちゃうのに、そんな銀ちゃんの意地悪にもあたしの身体は反応した。
むにゅ、むにゅって揉まれるたびにお腹の奥は熱を上げて疼くし、手足の先まで震えてしまう。
そうしてる間も、もう片方の胸はちゅくちゅくと舌を絡めて吸い上げられる。
両方の胸から交互に這い上がってくる痛さと気持ちよさに逆らえない。
とうとう全身から力が抜けて、あたしは自分を閉じ込めた腕の中でびくびく跳ねたりもがいたりしながら、ひっきりなしに声を上げた。
「ぁ、はぁ、あぁん、あっ。も・・やぁ・・・っひ、ぅう・・・っ」
「・・・」
左の胸に齧りついてる銀ちゃんが、時々視線だけをこっちに向ける。
建物の影に閉ざされた暗闇の中では曇り空みたいな色に見える前髪の影から、不機嫌そうに細めた瞳が、声出すな、って咎めてる。
無理。無理だよ。いくら我慢しても声が漏れちゃう。おねがい。もうやめて。
はぁっ、はぁっ、って息を弾ませながら、目尻に熱いしずくを溜めた情けない目で訴える。
だけど銀ちゃんは何も見てなかったような表情で視線を逸らすと、右の膨らみを持ち上げた手に力を籠めた。
親指と中指の先を擦り合わせるみたいにして薄赤い先を摘まみ上げて、かと思えば、きゅうって強く捻り潰す。
膨らみのどこよりも敏感なそこは、途端にじぃんと痺れ上がった。
あん、って鼻にかかった声を上げて全身を捩れば、口内で嬲られてる反対の先もきつく吸われる。
硬く尖らせた舌先でいやというほど刺激されたら、もうせつなくてたまらない。
とうとう目尻から涙がこぼれて、手足の震えも止まらなくなった。
そのうちに右胸から離れた手のひらが帯の上を滑って、お臍の上も撫で下ろしていって。
あわてて後ずさろうとしたけど、あたしのせめてもの抵抗はすかさず伸びてきた手に遮られてしまって。
お尻のやわらかいところを思いきり掴まれて、掴まれたそこを前へぐいっとずらされて――目の前で壁みたいに立ちはだかってる身体に、もっと密着させられる。
氷みたいに冷たい室外機用の棚の上。
そこに無理やり押し込められてたあたしは、いっそう身動きが取れなくなった。
「っあ、ま、まって、っ・・・あ、ぁたしの、へやで」
「いいだろここで。誰もいねーし」
「で、でも・・・――っ!」
蕩けた声で喘ぐ合間にしどろもどろにつぶやけば、銀ちゃんの手があたしの膝裏をぐいと掴んで持ち上げる。
地面に足裏が届かなくて宙ぶらりんになってた両脚は、膝を折り曲げた格好で台の上に乗せられてしまった。
大きく開かされた左右の腿が、胸の脇にくっつけられる。
これじゃあ銀ちゃんからは太腿もショーツも丸見えだ。
隠したくてたまらないけど、脚を掴んだ手を振り払うことも、手で覆い隠すことも出来ない。
まだ触られてもいないのにきゅんきゅん疼いて熱くなってるそこをあの目から遮ってくれるのは、淡いピンクの頼りない布だけ。
あわてて太腿を閉じようとしたら、
「・・・なんで閉じようとしてんだよ。もっと開けって」
不満そうにつぶやくと、強張った腿を乱暴に押して無理やりに広げる。
あられもなく晒された下着の上からぐりっと擦りつけられたものは、服越しでも生々しいくらいに熱くて硬い。
命じてきたのは素っ気なくて冷ややかで、これまでの銀ちゃんがあたしには一度も聞かせなかった残酷な口調だ。
なのに、背中を屈めて目の前まで迫ってきた表情は目つきが艶めかしい色に染まりきってる。
透明な滴りでとろりと濡れた口端からかすかに漏れる息遣いははぁはぁ乱れて、喉をごくりと動かして息を飲む表情は苦しそうだ。
・・・銀ちゃん、興奮してるんだ。
こうやってあたしに押しつけて紛らわしてないと、もう我慢できないくらいになっちゃってるのかも。
そんなことを考えちゃう自分が恥ずかしい。
それでもあたしのお腹の奥は、銀ちゃんが滾らせてる欲情の深さを喜んでるみたいにきゅんとしたけど――
「ほ・・・ほんと、に、ここで・・・?」
「・・・」
「〜〜だ、だれか、きちゃったら・・・」
「そりゃあ見られるんじゃねーの。こんなとこでよがりまくってる女がいたら」
「ん・・・っ!」
ぐ、って腰を突き出すように押しつけられたら、思わず叫んでしまいそうになる。
上げそうになった甲高い悲鳴は、唇を噛んで我慢した。
乱暴に動く長い指で揉みしだかれてる胸の奥で、心臓がきゅうって竦み上がる。
無防備に晒された脚の間――なめらかな肌触りの布の向こうに感じるのは、服越しでもどうなってるのかわかるくらいがちがちに張り詰めた塊で。
分厚い背中をゆっくり屈めて迫ってきた大きな身体が、あたしの肩に熱っぽい頭をずしりと預ける。
醒めきっていて抑揚が無いのに苛立ちを隠しきれてない声が、ぼそりと低くつぶやいた。
「。携帯」
「〜〜・・・っ。だ。だめっ」
「・・・お前さぁ、そんなにあの男に告られてーの。
俺がこんだけ頼んでんのに?そのためならこんなとこでヤられるくれーのこたぁ我慢するって?」
「っち、ちが・・・そ、じゃ、なくて」
「違わねーだろ。ほら、力抜けよ。脚開け」
「――あっ、っゃ、ぁあ・・・!」
大きく開かされた太腿の裏側を、ごつごつした手が撫で下ろす。
指の腹で肌をなぞるようにして滑り降りてきた中指の先は、いとも簡単そうにそこへ割り込んできた。
太くて硬い爪先を布ごと一緒に押し込まれたら、伸縮性のあるショーツの布地は途端にじゅわりと何かを吸い込む。
とろりと広がって肌に下着を張りつかせてしまったその感触が何なのか――それを思えば恥ずかしくって泣きそうに顔を歪めたけれど、そんなことを恥ずかしがる余裕すら銀ちゃんは与えてくれなかった。
きゅうって締まった入口をもっと広げようとするみたいに、指先をぐりぐり押し込まれる。
ぁあっ、って身体を捩って逃げようとしても、お尻はがっちり掴まれたままだ。
布地が邪魔して見えないはずの一番敏感なところにもすぐに指先が伸びてきて、
「――ぁあ!〜〜や・・やぁ。ゃだぁ、そこ、あぁ」
「んだよ、何がやだって。つーかさっきも言ったよなぁ、声響くから喋んなって」
「っっだめ、っ・・・ぁん、っ、ゃあ、ぐちゅぐちゅ、しちゃ、っぁあんっ」
喋るな、なんて言うくせに銀ちゃんの意地悪はエスカレートした。
小さな芽を捉えてる指は、容赦なく快感を送り込んでくる。
乱暴にぐちゅぐちゅ捏ねられて、最後にぴん、って弾き上げられたら、電流みたいに強烈な痺れが頭の天辺まで突き抜けていって、
「〜〜っっあ、ぁ、ああぁああ〜〜・・・っ!」
自分のものとは思えないような細くて甲高い悲鳴が、震えて力が入らない唇から夜空に向けて放たれる。
お腹の奥からとろとろ溢れ出た熱いものが、ショーツを押し込む硬い指先まで濡らしていくのがはっきりとわかる。
だめ。だめなのに。こんな場所でなんて、だめなのに。
着物も脱がされて脚も開かされて、こんな場所でしちゃいけないことされてるのに――それでも気持ちよくなっちゃう自分の身体をどうにも出来ない。
指の腹でくにゅくにゅされてるそこからは、太腿がぶるぶる震えてしまう甘い痺れが波みたいに次々と押し寄せてくる。
だらしなく開いた唇から飛び出てくるのは、何の言葉にもなってないうわずった声だけ。
後ろの壁にぐったり凭れてる頭の中は、まだ快感で蕩けきってる。だめ、なんてたった二文字の短い言葉すら言えそうにない。
あたしの奥まで満ちてるものをもっと掻き出そうとしてるみたいな動きで、曲げた指先が入口を擦る。
赤いニットで一括りにされた両手は、いつのまにか無意識に白い着物の袖端にしがみついていた。
「っひ、ら、めぇ、らめぇっっぎっ、ぁあっ、ひぅ、んっっ、ぁっ、あぁ・・・!」
ぐちゅ、じゅぷ、ちゅくっ、くちゅんっ。
塀と壁に囲まれた狭い路地に反響してるせいなのか、水音は大きく鳴り響いてた。
啜り泣きながら頼んでもしがみついた着物を引っ張っても、指は止めてもらえない。
あたしがいやらしい声で啼いて夢中で腰をくねらせるたびに、銀ちゃんは唇を噛みしめてた。
そこからほんのかすかに漏れる押し殺した息遣いが、少しずつ荒く大きくなっていく。
今にも感情を爆発させそうだった不満そうな顔は、いつの間にかどこかへ消えてしまってた。
ごくん、って唾を呑む音が鳴って、目の前を塞いだ太い喉が大きく動く。
くちゅくちゅ擦ってるショーツの上に熱っぽい視線を注いでる顔が、息苦しそうな深い溜め息を吐き出してる。
銀ちゃんの指に苛められてるところがどれだけ濡れてしまってるのか、この暗さの中でも見えてるのかも。
そう気付いたら恥ずかしすぎて頭の芯まで血が昇って、かぁっと全身が火照ってしまう。
濡れた布を張りつかせたそこは熱っぽい目で見られることだけで感じちゃって、ぐちゅってショーツを押し込んでくる動きに合わせてきゅうって指先を締めつけた。
硬い指先が塞いだところのうんと奥から、とろりと生温く何かが溢れる。く、って喉の奥で笑ったような、籠った声が降ってきて、
「ー、ここがどこか忘れてね」
「ぁっ、あっ、はぁ、っぁ、っっ」
「外だよ外。薄汚ねー路地裏で着物ひん剥かれて、無理やりナカいじられてんの。なのに何でこんなに濡らして喜んでんだよ」
「っって、っぎ、ひゃ、ゆびっっあっ、っそ、それ、ゃらぁ、あ、あ、ぁー・・・〜〜っ」
奥に隠れてた敏感な芽を二本の指で摘まれて、繰り返し上下に揺すられる。
きゅ、って強めに挟まれて、小刻みにくにゅくにゅ動かされる。
触れられるだけで全身の感覚が集中してしまうそこから、強烈な快感は何度も何度も膨らんでは弾ける。
いつのまにか草履が両方とも脱げて足袋だけになってた足先は、まるで何かに操られてるみたいに何度も何度も跳ね上がった。
「〜〜っらあ、らめぇっ、っっあっ、あっ、っっひ、ぁ、あ――・・・っ!」
熱く潤んだ目の奥で、頭の中まで真っ白に染め上げる何かが弾けては散る。
手首を縛ったマフラーを噛んで咄嗟に声を閉じ込めようとしたけど、勝手に大きく仰け反った身体を震えた叫び声が突き抜けていく。
息がつけない。何も考えられない。何も見えない。銀ちゃんの指の小刻みな動きに全身の感覚が囚われてる。
がくがく震えて止まらない腰が、冷たい台の上で力なく崩れていく。
分厚い手のひらに割り込まれてぐちゃぐちゃに弄られてる足の付け根は、信じられないくらいとろとろに潤みきってる。
身体の中心を満たしてる熱は、指先で強引に掻き出されるたびにはしたなく溢れる。
ふっと笑った銀ちゃんが、濡れすぎてそこだけ濃いピンク色に変わってしまったクロッチ部分に爪先を立てる。
かりかり、かりって、浅く深く、遊ぶようにして引っ掛きはじめた。
甘い快感でじくじく疼いてるそこで爪先を上下させられて、
「っやぁ、やめ、っっ」
「ー、どんな気分。近所の連中にえろい声聞かせながらイきまくるのって」
「ぁん、っら、らめぇぇっ。こぇ、がま・・できなぁ、〜〜っっ」
「はは、何で唇噛みしめてんの。我慢しねーでもっと聞かせてやれよ、お前の可愛い喘ぎ声」
「ぉねが、めぇ、ゃめ、んっっ」
「だめー。これ、他の男に身体触らせた罰な」
「っっ、っし、してなぃぃ、っ・・・ふぇぇ、っそ、な・・・してなぃも・・っ」
「しただろ。昼間、手ぇ握らせたじゃん、俺の目の前で」
なんだか言いたくなさそうな、ちょっと怒ってるような声が耳の横でぼそりとつぶやく。
手?手を握らせた、って・・・・・・なんのこと。あたしが?誰に?
いくら考えても答えは出なくて、荒い息遣いをこぼしながらこっちを睨んでる顔をはぁはぁ喘ぎながら見つめ返すしかなかった。
だって、何も心当たりがない。
だいたい今日手を繋いだ相手なんて、神楽ちゃんと銀ちゃんくらいだ。
どっちも昼間に公園に行ったときで、その後は誰とも――
「――・・・あ、」
ぱちりと大きく瞬きしながら間の抜けた声を漏らしたら、銀ちゃんは面白くなさそうに口端を下げた。
そうだ、忘れてた。他にもう一人いた。
ドラッグストア前でお土産を貰った時だ。
何か言いたげだったあの人の手が、袋を受け取ったあたしの手の上に重なった。
でも、だけど・・・ただ手が触れただけなのに。ほんの数秒程度だったのに――
「・・・て、手って・・・だって、あれは・・・――あんっっ」
「っだよあれ、どーいうこと。まさかあいつと会うたびに手ぇ握らせてやってんの」
「っち、ちがっ・・・〜〜ぁんっ、あぁっ。ら、らってぇ、て、だけっ」
「ん、手だけな。けど触らせたじゃん、しかもに惚れてる奴に。
目の前であれ見せつけられて、俺がどんだけ頭に血ぃ昇らせてたと思う」
「・・・っ、」
眉間を軽く曇らせた拗ねたような目つきで言われたら、すっかり冷えきった胸の奥で心臓がとくんと小さく弾む。
・・・しらなかった。
銀ちゃんてば、あれをそんなに気にしてたんだ。ドラッグストアの前で何があったかなんて、あたしは今の今まで忘れてた。
なのに銀ちゃんは、あんなほんのちょっとしたことにずっと嫉妬してたんだ。
爪先で焦らすようにして刺激されてるところが、思いもしなかった銀ちゃんの本音を喜んでるみたいにきゅうぅって痺れる。
爪先だけですりすりされてるショーツの奥がせつなく疼く。
んんっ、って唇を噛みしめても背筋を捩ってもがいても、我慢しきれない気持ちよさはお腹の奥まで遡ってきて、
「んぅ・・・っ、はぁっ、っゃ、やあっ、やらぁ・・・っ」
「お前さぁ、あん時俺が横にいるの忘れてただろ。つーか、あれからずっとあの男のことばっか考えてたんじゃねーの。
俺ん家でも上の空だったし、口開けばあの男のことばっかだし。
なぁ、そんなにあいつが気になんの。俺よりも?」
「ぁん、もっ、めぇっ、っら、らめなのぉ」
「あんな奴のことなんて忘れて俺だけ見てろよ。ほら、今お前を抱こうとしてんの誰。ここ弄ってんの、誰の指」
「っはぁあ・・・んっっ、も、ゃあっ、っぎ、ん・・ひゃ・・・!」
だめ。もうだめ。こんなに近くで見られてるのに――
口端からだらしなく唾液を溢れさせて喘ぐ、乱れきった顔を見られたくない。
手首を縛った赤いニットを口に含んで噛みしめる。
狂ったみたいに泣きじゃくりながらかぶりを振って腰を捩って、硬い指先が送り込んでくる甘い快感から逃れようとする。
だけど銀ちゃんの嫉妬を喜んですっかり高まってしまった身体が、唐突に身体を突き抜けるようなあの感覚に逆らえるはずがない。
、って囁くみたいな低い声で呼ばれただけでぞくぞく震えて、びくん、と腰まで震えが走って、
「っっんふっ、っく、っんっっ、んん・・・〜〜〜っっ!」
一括りにされた手を盾にして銀ちゃんの視線を遮るのと同時で、電流みたいな甘い痺れがお腹の底から湧き上がる。
ショーツの上から弱いところをかりかりと引っ掻く指の動きが速くなる。
じっとりと肌に纏わりつくような視線を全身に感じてぞくぞくしながら、あたしは分厚い身体を挟みつけた太腿をぶるぶる震わせてイってしまった。
がくん、って逞しい腕の中で腰が崩れる。はぁはぁと乱れる呼吸がすごく苦しくて、頭の中から手足の先までかぁっと熱く染まっていく。
爪先で引っ掛かれてるだけなのにひくひく蠢いて止まらない蜜口から、まるで堰を切ったみたいに透明な滴りが溢れ出てくる。
お尻や台までこぼれてるそれが銀ちゃんの指まで濡らしていくのを、否応なしに感じてしまう。
ぐりゅ、って薄い布地を被った指先を蕩けた入口へ捩じ込まれて、
「っぁっ!」
「ほら、顔隠してねーで見ろよここ。のやらしいとこ、こんなにぐちゃぐちゃにされてんだろ。ここ弄ってんの、誰の指」
「あっ、ふぁ・・あぁんっ、っっぎ、ひゃぁ、らめっ、もっ、ぁあっっ」
浅いところをぐちゅぐちゅと、爪先で引っ掻き回される。
頭の芯まで響き渡ってるその音と、余裕がなさそうな銀ちゃんの息遣いと、興奮気味で悔しそうな口調。
隙間なく密着させられた身体の全部でそんな響きを感じてしまえば、速くてめちゃくちゃな指の動きで弄られてるところがきゅううってせつなそうに収縮して――
「あっあっっゃあっ、あっ、あっっ、っああん!」
「なぁ、触らせたのって手だけ。あいつしょっちゅうお前に絡んできたり食事に誘ったりしてんだろ。
そん時も触らせたりした。言えよ、何させたんだよ、俺のいねーとこで」
「っせ、て、なぁ・・っ、あっ、ああぁあっ!〜〜っもっ、ぃっっ、っめぇぇっ」
「、あいつも知ってんの。お前の身体がこんなにえろくて、こんなとこでヤられてもぐっしょり濡らして喜ぶって」
「――っああぁんっっ」
ずぶっっ、って深く、男の人の骨太な指を思いきり中へ突き立てられる。
すっかり蕩けて待ち侘びてた粘膜が、銀ちゃんの指を締めつける。
布地の感触ごと強引に沈められた気持ちよさは、一瞬で頭の天辺まで突き抜けていった。
きゅうぅって丸めた足袋の爪先や着物にしがみついた指の先まで、まるで弱い電流を流されたような快感の余韻が広がっていく。
はぁっ、はぁっ、はぁっ。
力なく震える唇の奥で荒い呼吸を弾ませながら、分厚い胸にぐったりと凭れる。
銀ちゃんは投げやりで荒い溜息をひとつ吐くと、赤いマフラーで一つに縛られたあたしの両腕を持ち上げる。
かと思えば、自分の首に掛けてしまった。
自分から銀ちゃんに抱きついてるような格好にさせられてる間も、潤みきったやわらかい入口を長い指の先で抜き挿しされる。
あたしがどこを弄られると弱いかを知り尽してるその指は、硬い先で粘膜の襞を引っ掛けるみたいにしながら小刻みに動く。
浅く入れられてるだけなのに奥が疼く。きもちいい。なのにくるしい。頭がおかしくなっちゃいそう。
せつなくてもどかしくて涙がこぼれて、縋るような目で銀ちゃんを見つめた。
「ぅぁ、ぅ、ぁあぁ・・んっ、ちゃぁ、んんっ、ぎっ、ちゃあ、っっ、ぁっ、あ〜〜・・・っ」
・・・言えない。言えないよ。
この指にもっと奥まで触れられたい。
自分じゃどうにもならないくらい熱く疼いてる深いところを、銀ちゃんの熱で埋めつくしてほしい。
腰をくねらせて誘うように喘ぐあたしの物欲しそうな身体から、銀ちゃんは視線を外そうとしない。
他のものなんて視界に入ってもいなさそうな目。あたしだけに向けられた目。
露わになった胸も、ショーツがいやらしく貼りついたところも、乱れた呼吸と濡れた声を上げ続けてる泣き顔も――ぜんぶ、ぜんぶ見られてる。
深く伏せた睫毛の影から覗く暗い欲情を滾らせた目に、火照りきってる男の人の視線に、どこも、ぜんぶ暴かれてる。
そう感じるだけで潤みきった粘膜の襞がきゅうぅってうねって、うっすらと汗ばみ始めた背中や首筋がぞくぞくする。
「・・・」
苦しそうに眉を顰めてるのに目つきがぼうっとしてる顔が迫ってきて、あたしの視界をまっくらに変えた。
熱くて濡れた感触に、呼吸ごと閉じ込められてしまう。
、ってもう一度銀ちゃんがつぶやく。ちゅ、ちゅ、って触れるだけのやわらかいキスを角度を変えて落としながら、
「もう二度と他の奴に触らせんなよ。お前の身体ぜんぶ・・・ここも、この奥も、ぜんぶ俺のもんだからな。なぁ、わかった」
「――・・・っっ!ぁっ、っっひ、ぁあ・・・あ・・・っ!」
呼吸が弾んだ熱っぽい声に歯痒そうに命令されて、それと同時で蜜口をくちゅくちゅ撫で回される。
あたしの抵抗なんて許す気がなさそうな口調や指の動きの激しさに銀ちゃんの独占欲を感じたら、指先を抜き挿しされてる入口がもっと疼いて熱くなって、もっと気持ちよくなっちゃって
――気持ちよすぎてぼうっとしちゃって、声をこらえる気力なんてすっかり無くなってしまった。
はぁ、はぁん、って鼻にかかった甘ったるい声を上げながら、意識が霞んできた頭のすみっこで考える。
ああ、やっぱりあたし、どうにかしちゃってる。
どうしよう。
こんな場所で無理やりになんて、銀ちゃんひどい。そう思ってたのに――それでもこんなに感じちゃうなんて。
それでも銀ちゃんをきらいになれないなんて。
呼吸を荒く弾ませた声や、剥き出しで身勝手な独占欲に、こんなにどきどきしちゃうなんて――
「あ、ああ、ふ・・ぁあん・・・・・・銀ちゃぁん、ぎ・・ちゃ・・・ぁあ・・・!」
誰か知らない人みたいに見えた、笑ってるのに怖い表情。
転びそうになった身体を抱き寄せられて、いきなり始まった荒々しいキス。
内心ではずっとあの人に嫉妬してたんだって打ち明けてくれたときの、気まずそうで歯痒そうな顔。
スマホを渡せって迫ってくるときの怒った顔。
くちゅくちゅと掻き乱されてるところに感じる、いつもよりも荒々しくて我を忘れてるような指の動き。
もう二度と他の奴に触らせるなって、あたしの身体はぜんぶ自分のものだって言い張ったときの、熱に浮かされてるような目つき。
今まで知らなかった銀ちゃんを――どうでもよさそうな態度の裏に隠れてた本音を身体中で感じさせられるたびに、蕩けた奥がきゅんって疼いて銀ちゃんを欲しがる。
弄られてるところがじぃんと痺れて、甘いせつなさでいっぱいになる。
透明な粘液がショーツを通り越して漏れていく。
ぶるぶる震えるお尻や太腿にも生温く伝っていくその感触は、とろりとろりと溢れてこぼれて、とまらない。
肌に滑らかに纏わりつくそれは、まるであたしの身体の奥からこぼれてくる蜂蜜みたい。
銀ちゃんの指も手のひらも、腰の下に敷かれた襦袢も着物も、座らされた棚まで濡れていく。
まだショーツの上から触られてるだけなのに――
「・・・いー匂い。のここ、赤くてとろっとろですげぇうまそう」
「〜〜はぁ、はぁんっ・・・やぁっ・・・みな・・でぇ、はずか、し・・・っ」
「だめ。恥ずかしそうな顔もっと見てぇし」
「〜〜〜・・・っ、ばか、ばかぁ、も、ゃぁ・・っ」
火が点いたみたいに熱くなったほっぺたを、ぽろぽろぽろぽろ、涙が伝う。
あたしが顔を真っ赤に染めて啜り泣きながらもがいてるのに、瞼を重たげに伏せた目はこっちを見つめて愉しそうな薄笑いを浮かべてた。
震えが止まらない足の付け根をくちゅくちゅ音を鳴らして捏ねながら、銀ちゃんは逆の手を自分の腰へ伸ばしていった。
ベルトや帯を巻いたお腹の下あたりへ長い指が潜っていって、あたしの身体を弄る一方でそこをごそごそ探り始める。
掠れて響く衣擦れの音と、足許で舞い上がってはざわめく枯葉の乾いた音が混ざり合う。
静かだったはずの裏路地には、気付けばその二つの音と銀ちゃんの指が鳴らす水音、あたしのいやらしく蕩けた泣き声が絶えず響き渡ってた。
じきに銀ちゃんが身じろぎを止めて、はぁっ、ってもどかしげな呼吸を吐いて。
下半身をこれまでよりもうんと深く押しつけられる。高い体温と圧迫感に思わず身体が竦んだ瞬間、
「――・・・っ!」
ショーツのクロッチにぐりぐりって、無遠慮に押しつけられてる生々しい熱。
身体がすっかり覚えてしまったその感触や、薄布越しに伝わってくる、どくどくと暴れるような脈の音。
拒みようもなく突き付けられた生々しさに、っっ、ってあたしは息を呑んだ。
・・・どうしよう。しちゃうんだ。これからここで、ほんとにするんだ。
まだ何の気持ちの整理もつかなくて呆然としてるうちに、逞しい胸板を押しつけられる。
「声、我慢しろよ」って、荒れた呼吸混じりな命令を耳の中へ注がれる。
白いレースで縁取られたクロッチの布が、乱暴に横へずらされる。
お腹につきそうなくらい反り上がった赤黒い肉の先端を、戸惑う間もなくぬるりとこすりつけられて、
「ぁっっ、〜〜あぁああ、あ!」
充分すぎるくらいに蕩けきって透明な粘液をこぼしてた谷間が、ぐぷっっ、て割られる。
そこから快感が昇り詰める。全身がぶるりと跳ね上がる。
お腹の奥に湧いてきたもどかしくて涙が出るような痺れや疼きに、背筋がぞくぞく震え上がった。
ぐぶ、ぐぶぐぶ、ぐぶっ。
耳にしただけで羞恥心に火が点くような淫らな水音を響かせながら、硬く勃ち上がった大きなものを身体の中心に呑み込まされていく。
狭い中から押し出された蜜が繋がったところからどろどろ流れて、ショーツを鷲掴みにした銀ちゃんの手まで濡らしていった。
指を入れられたときには届かなかった粘膜の壁の奥深くまで、強引に踏み込んできた熱い塊でこじ開けられていく。
そこから全身に広がっていくのは、思わず身体を強張らせてしまうような軋んだ痛みだ。
だって、こんなの慣れてない。銀ちゃんが奥まで入ってくるのは、いつもなら指でたっぷり弄られた後だ。
あたしの中を解すための愛撫は丁寧すぎてしつこいくらいで、時間だってすごく長い。
最初に銀ちゃんに抱かれたときからそうだった。
あたしが痛い痛いって子供みたいに泣きじゃくった、あの時から――
「・・・〜〜〜ん・・ゃ・・・ぃっ、っっぁ、まっ・・・ぎ、ちゃぁ・・・っ」
痛い。痛いよ、びりびりする。それに苦しい。圧迫感で息もつけない。
ぎゅうぎゅうに狭まった熱い奥を引き裂かれてるようなひりつく痛み。
銀ちゃんに「初めて」をあげたときみたい。
硬い胸板に顔を擦りつけて唇が切れそうなくらい噛みしめたけど、ぎちぎち、ぎちって無理に押し込まれるたびに、いたぁい、って悲鳴みたいな泣き声が漏れてしまう。
ぽろぽろぽろぽろ、開ききった目から大粒の涙がこぼれて――
「〜〜っ・・・ぃ、いたぃよ、ぅぅ、いた・・・やぁぁ・・〜〜〜っっ」
「――っっ、あぁ、すげ・・・お前、慣らさねーで挿れるとこんな狭めーの・・っっ」
「っっく、ひぁ、んっ・・・っぃ・・っあっ、ぁああっっ」
あたしのお尻を両腕で鷲掴みにして抑えつけてる屈強な身体が、力ずくで腰を進めてくる。
身体を強張らせて啜り泣いてたら、鈍くて重い衝撃に奥をずんっっと穿たれて、
「〜〜〜っっゃあぁああぁんっ」
ぶるりと胸を弾ませた身体が弓なりにしなる。
狂ったような甲高い嬌声が、喉をぶるぶる震わせてる。
見開いた目の奥で何かが弾ける。
真上に広がってるはずの夜空が、暗闇に塗り潰されてたはずの裏路地の景色が、白くまぶしく塗り替えられていって――