甘い菓子には裏がある 3
一人で飛び込んだカフェで、は勝手に席につく。 開いている場所は、百貨店の店内が見渡せるガラス張りに面した二人席だけだった。 仕方なくそこへ座ると、を追って小菊がやってきた。 手を挙げ店員を呼び、いつも二人でお茶するときと同じに紅茶を二つ注文する。 無言での向かいに腰を下ろし、彼女にしては珍しく困った顔で微笑んだ。 情の深さをそのまま笑みに変えたような表情に、こみあげてきた罪悪感がをすっぽりと包む。 すぐさま頭を下げたその表情は、すっかり萎れきっていた。 「ごめんね、姐さん。・・・手を払ったりして、ごめんなさい」 頭を下げたままで、は大きく首を振った。 「・・・・ほんとはただのやきもちなの。あたし、姐さんに嫉妬してたの。 土方さんが黙ってることをどうして姐さんが知ってるの、って」 「いいのよ、そんなの。全然気にしてないもの」 さっぱりとした口調で小菊は言い切った。 ほら、とガラスの向こうを指してみせる。 「あたしはいいからさ。あの兄さんにはちゃんと謝りなさいよ、」 そこには一人ムスッとした顔で行列に加わっている、浮きまくった土方の姿があった。 その姿に目を留めたが、きゅっと紅い唇を噛む。 しばらくそのまま、憂鬱そうな表情を浮かべて黙って眺めていた。 「・・・・あーあ。」 溜息のようなひとことを発したの泣き出しそうな目は、じっと土方を見つめたまま動かなくなった。 すぐ傍にある分厚いガラスにもたれ、こつん、と小さく頭をぶつける。 「・・・・・やだなあ。酷いこと言っちゃった。 最悪なのはいっつもあたしの方なのに。土方さんは何も悪くないのに」 こん、こん、こん。 何度かそうして頭をぶつけて、が嘆く。 「・・・・もうダメかもー。てゆーか絶対ダメだよね、あんなの。今度こそ完全に呆れられたよね。 今度こそ見放されちゃうかも。もう屯所にも来るなとか言われたら・・・・どうしよう」 「そーぉ?・・・ねえ、。 あんた、女に完全に呆れた男が、あんな女だらけのところで我慢して、黙って並んでくれると思う?」 「・・・・・・・・・。思わない、けど・・・」 「でしょ?完全に呆れたら、すぐに見放して帰るわよ」 「・・・やだなあ・・・もう。なんで帰らないんだろ」 口を尖らせて、泣きそうな顔で。 それでもは、土方の姿から目を逸らすことがなかった。 そんな彼女を見ていた小菊が、当然じゃないのという顔で返す。 「そんなこと。わかるでしょ。」 頼んだ紅茶が運ばれてきた。 カップを手にして香りを楽しむ小菊に、は拗ねたような目を向けた。 「だって・・・あたしじゃダメだよ。傍にいたって、土方さんのためにならないよ。 あのひとのお荷物になっちゃう。あたしといたってダメなの。あたしじゃダメ。 ・・・・・・・・・土方さん、幸せになれないよ」 なぜそこまで思いつめるのか。 自分では駄目だと何度も繰り返すほどに。まるで自分に言い聞かせるように。 何をそんなに思いつめているんだろう、この子は。 真選組を辞めた理由も、たぶんその辺りにあるんだろう。そう察しはついていた。 が突然隊士を辞めた時のおおまかな話の筋は、本人にも聞かされていたし 他人伝てにも聞いていたから知っている。 けれど、その奥にある事情を小菊は聞かされていなかった。 それでも何かをためらい、悩んでいるようすは、の態度から見て取れた。 だから、敢えてそこには触れないように、見ないふりをしてきたのだが。 「してもらってばっかりで。何もしてあげられない。迷惑かけてばっかりなの。 邪魔ばっかりしてるの。・・・だめだってわかってるのに、頭の中では我侭ばっかり言ってるの」 「あら。そんなの普通じゃない。みんなそうよ」 軽い口調で小菊がそう言っても、は納得しようとしない。 思いつめたように唇をきつく結び、かぶりを振った。 「もうとっくに彼女じゃないのに。・・・一緒にいたいとか。こっち見てほしいとか。 他のひとなんか見ないでほしいとか。・・・どこにも行かないで、・・・とか。 ・・・・バカみたい。」 「ふふっ、そーねえ。バカかもねえ」 笑ってそう言い、小菊はひとこと付け足した。 「あの兄さんも、バカかもね。」 そう言ったとたんに、はそんなことない、と強く反論してみせた。 普段は妹のように甘えてくるの、珍しく強い、反発を含んだ口調に驚いて 小菊はわずかに目を見張った。 「・・・・土方さんはバカじゃないよ。あたしだけなの、バカなのはあたしだけ。 あのひとのこと、悪く言わないで」 さっきは本人に向かって、あれだけ散々暴言を吐いていたくせに。 自分以外にあの兄さんをけなされるのは、我慢ならないってことかしら。 拗ねた顔でこっちを見ている友達を微笑ましく思いながら、小菊はテーブルに頬杖をつく。 ひやかし混じりの口調で、明るく返した。 「いいじゃないの。『どこにも行かないで』なんてわがまま言ってくるひとがいるなんて。 すっごく幸せじゃないの、それ。あたしが男だったら言われてみたいわ」 「・・・・でもさ。重くない?ウザいよきっと。実際言われたら引くよ。逃げられちゃうよ」 「いいのよ、逃げたいヤツには逃げさせれば。その程度で逃げるような男に、価値は無い。 そんなのただのガキよ。女のひとりも背負えない、覚悟の無いガキじゃないの」 「そうかなあ・・・・・」 まだ納得がいかなさそうな顔で、はうつむいた。 湯気がひらひらと浮かび立つ紅茶のカップを、じっとみつめている。 頬杖をついた小菊は、ガラスの向こうの行列に顔を向けた。 「そうよ。誰かに求められることの幸せ、ってのもあんのよ。それに」 コンコン、と小菊が目の前のガラスをちいさくノックする。 その音に、は顔を上げた。目の前では、艶然と微笑む小菊がガラスの向こうを指している。 「どうなのよ。 あそこの難しい顔した兄さんは、あんた一人のわがままを背負えないような、ヤワな男なの?」 はきゅっと唇を噛んだ。 小菊に何と言ったらいいのか。自分のことも、あの人のことも。 わからなかった。それでも大きく首を振って、否定した。 そんなひとじゃない。 たったそれだけのことで、逃げたりするようなひとじゃない。 あのひとは、自分以外を背負うことの重みをちゃんと知っている。 あたしとは違う。 踏み出すごとに足が地に減り込むようなその重みに、弱音を吐くようなひとじゃない。 苛々と腕組みをしながら、それでも列を離れることがない土方の姿。 小菊に何かを握られていて。だから土方は、あそこに並んでいる。 けれど、それだけじゃない。 小菊姐さんが言うように。 あのひとがああして苛々しながら、それでもあたしの前に留まっている理由は。たぶん、それだけじゃない。 もういいのに。そんなふうにしてもらう価値、あたしには無いのに。 あたしはもう、あのひとにふさわしくない。 あのひとの傍に立つのにふさわしい女にはなれない。だってあたしは、もう。戻れない―――― 「そんなことない。・・・・でも。だめだよ。あのひとじゃなくて。あたしがだめなヤツなの」 ほら、あたしはまた邪魔をしている。あのひとの進む先を邪魔している。 そう思うたびに胸が縛られたかのように苦しくなった。 隊士を辞めた日からずっと、ふつふつと湧き上がり続けている重苦しい感情。 これは、土方へ向けられた罪悪感や後悔なのか。それともこれは、弱い自分への嘲りなのか。 自分でもよく解らないままに、はいつしか力無い笑みを浮かべていた。 小菊はしばらく、横目に彼女を眺めていた。 それからふっと肩を竦め、あーあ、とつまらなさそうな顔をした。 「しょーがない。教えてあげるわ、友達のピンチだもん。」 え、とつぶやくをよそに、小菊はケラケラと笑い出した。 「あーあ、せっかく鬼の副長さんをパシリに使えるいいネタ掴んだと思ったのにねェ。 上手くいかないもんねェ。時間かけて、じーっくりたかろうと思ったんだけど」 テーブルに乗り出し、小菊はに迫る。 意味深そうな表情で間近にみつめられても、はいっこうにぴんと来ないらしい。わずかに眉根を寄せている。 「ほら、こないだのあれ。こないだ、副長さんに貰ったでしょ?あそこのお菓子よ。 あの老舗の。超人気のあれよ」 「うん・・・?」 「あたしがにあげたことになってるけどさ。ごめん。違うのよ、あれ」 「え?」 「あの日ねェ。踊りのお稽古の帰りに偶然会ったの、副長さんに。 しかも珍しく向こうから声掛けてくるんだもの、ビックリしたわよ。で、お愛想で挨拶なんかしてたらいきなりよ」 含み笑いに肩をちいさく揺らしながら、小菊は続けた。 「の好きなものを買いたいんだけど、何を買ったらいいのか参考に聞かせろ、って」 小菊は、からかうような表情でを覗き込む。 一方、語られているは驚きに目を丸くした。 「それならあそこの新作はどうですか、はあそこのお菓子に目が無いですよ、って言ったらさあ。 じゃあ今からそこに行く、けど、お菓子はあたしが寄越したことにして、には黙っててくれって」 そのときの土方の姿でも思い出しているのだろう。 小菊は可笑しそうに口許に手を当て、くくっと吹き出した。 「それは構いませんけど、って話をして、それで。別れたあとがもうダメよ、もォ可笑しくなっちゃって。 あのムッとした怖いひとが、これから女のために菓子買いにいくのかと思ったらさあ。笑いが止まらなかったわよォ」 「・・・・どうして・・・・」 「さあねえ。芸妓風情にパシリ扱いされてでも、には知られたくなかったみたいだし。 本人に聞いてみれば?まあ、聞かれてあっさり白状するくらいなら、あたしに口止めなんてしないだろうけどねぇ」 ただ驚いて目を丸くするばかりだったの頬に、わずかに赤みが差し始める。 戸惑ったように小菊から視線を逸らすと、その目をガラスの向こうに向けた。 熱を帯びたようなぼんやりとした表情で、華やかな女性ばかりの行列でただ一人、難しい顔をした男を見つめている。 「・・・・やっぱりバカかも。土方さん」 「そうよ。いいじゃないの。きっと、バカ同士で釣り合いが取れてんのよ」 「それ、ぜんぜん嬉しくないよ姐さん。・・・でも、ありがとう。」 使えそうなパシリをなくしたのは、ちょっと惜しい気もするけどね。 心の中で舌を出し、小菊は紅茶を口にする。 それから「あの兄さんにはあたしからバラしたって言わないでよ」と忘れず釘を刺した。 しかしは、熱の籠もった目で土方を見つめ、ただ頷いてみせるだけ。 あとでもう一度釘刺しておかないと。そう危ぶみながらも、小菊は可笑しそうに彼女を眺める。 眺めながら、あることに思い至った。 「・・・ねえねえ、でもさ。どーするのかしらねェ? お一人様三個の限定ショコラ、どーやって一人で六個買うつもりかしら?あの兄さん。」 不思議そうに漏らした小菊に、ははっとして振り返る。 顔を見合わせた二人はそのまま真剣な表情で、ガラスの向こうを振り向いた。 お目当ての限定ショコラの販売が既に始まっていた例の行列は いつのまにか、あと十数人で土方が入店出来るほどの短さになっていた。 パリ屈指の名店。人気の有名ショコラティエの、日本初となるアンテナショップだ。 その黒を基調とした、本店さながらに物々しく重厚な雰囲気が漂う入り口には モデルのように制服のスーツを着こなした二人のイケメンドアマンが まるでドア装飾の一部であるかのように店と同化して立っている。 「!ちょっ、!」 小菊が驚きの声を上げる。 が、その時にはもすでに息を呑んでいた。 行列中の土方が、突然煙草を吸い始めたのだ。 もちろんそこは喫煙コーナーではない。 デパート店内といえば、許された場所以外での喫煙は勿論ご法度。当然の社会常識、暗黙ルールだ。 行列から煙が上がる。 行列に非常識な迷惑行為があれば、当然、イケメンドアマンの一人が、非常識な客のもとへ注意を促しに走る。 そして非常識なその客に、非常識なことに瞬時に首に絞め技をかけられ、ガクッと崩れ落ちて床に沈んでしまった。 周囲の客が驚いて逃げ出す。蜘蛛の子を散らす勢いで行列が崩れ、「きゃああっっ」と控え目ながらも悲鳴が上がり、 どよめきと騒ぎがフロア中へと伝染していく。その異常事態を目にした店員たちが、次々に彼のもとへと駆け寄っていく。 「ひ、土方さんっ!」 が思わず椅子から立ち上がり、勢いづいたあまりに椅子がガタンと倒れた。 慌ててカフェを出ようとする彼女の袖を、こちらもさすがに慌てて立ち上がった小菊が引っ掴む。 「ちょっ、ま、待ちなさいよっ」 「でもォ!」 「行っちゃダメよ!やめなさいよ、あんたまで巻き込まれに行くことないわよォ!! それにしたってよ?それにしたって。・・・いったい何考えてんのォ!?あんたの彼氏!!」 「だからァ、違うってば!元カレだって言ってるじゃん!!」 「んなこたぁもォどっちでもいいってーーのォォ!!それよりも、あの・・・」 呆れきった口調で文句をつけていた小菊の口が、急に止まった。 口を開けたまま見ているその先には、最初に土方を見たときに隣にいた、恰幅の良いスーツ姿の男。 その男がなぜか店員たちと揉めている土方との間に、割って入った。 何かを言い聞かせながら、店員たちを見回す。すると、集まっていた店員たちは散り散りに去っていった。 「・・・・あのおじさん、さっきの・・・」 「へえー。ここのお偉いさんなのかしらね。あのおじさん」 「うーん・・・みんな言うこと聞いてたし。そうなのかも・・・」 「そういやさっき、警備指導がどうとか言ってたもんねえ。・・・って、あら?」 煙草を消そうともせず口に咥えた土方が、お偉いさんらしきその男と何かを話し込んでいる。 困った顔で、しかし絶えず動き続ける揉み手と腰の低い姿勢は崩すことなく、男は首をひねり続けていた。 しばらくその、カエルとヘビの睨み合い状態がチョコレートショップの入り口前で続き。 何かを観念したような、強張った諦めの表情を浮かべたその男は、 土方を伴ってチョコレートショップへと入っていった。 その様子をガラス一枚隔てたカフェから固唾を呑んで見守っていた女二人は、やっと口を開いた。 「・・・ヤクザの営業妨害と一緒よね。恐喝よねえ、あれって。 何か弱味でも握られてんのかしら、あのおじさん」 「・・・てゆーかヤクザそのものだよ。オマワリさんの制服着たヤクザだよ、あれ」 「さすが真選組ね。それも副長ともなるともう堂々としてるっていうか、ご立派なもんよねぇ。 ヤクザがすっかり板についてるってゆーか。どこからどう見たってチンピラ警察24時だわ、あれ」 「どーしよう・・・恥ずかしい。恥ずかしいよォ!! どーしよう、どーしたらいいの姐さん!あのヤクザにここで声掛ける気になれないんですけどォォ!!」 「そーねえ。行列並んで我慢出来ずに発射するくらいには屈辱よね。 でもさァ。まさかとは思うんだけど。ねえ、もしかして、あのヤクザ。 ・・・・・こないだのあの店のお菓子も、こーやって買ったんじゃないの・・・・・?」 小菊に口止めして土方が買ってきた老舗の新作菓子といえば、発売当初から行列必死、 店頭に並んだ途端に売り切れてしまう、のような甘味マニアにはまさに垂涎、貴重な幻の品だ。 少なくとも、ふらりと店に立ち寄っただけで「運良く」手に入れられるような菓子ではないのは確かだった。 嫌な予想に顔を引きつらせながら、二人はチョコレートショップを見つめていた。 すると。 「!出てきたよ、姐さん!!持ってるよ袋!買ってるよ限定ショコラ!!」 「えっ、ちょっとォ。・・・出て行くわよ、ここから出る気よあの兄さん。ねえ、どうする?」 「と・・・とりあえずここを出て、土方さんの後を追いかける!?」 「そうね。なんにせよ、あのショコラを回収するのが先よね。よし、行くわよ!」 言うが早いが小菊が立ち上がる。伝票を掴むと、まっすぐにレジを目指して突進する。 ぽかんとしていたも自分の巾着を引っ掴み、慌てて彼女の後を追った。 足早に進む土方の後を追い、二人は百貨店やブランドショップの建ち並ぶ表通りに出た。 店を出た土方は、通り沿いに停めてあったパトカーをまっすぐに目指している。 着物の裾の乱れを抑えながらの小走りでその背後に迫りながら、小菊は感心しきりな口調でつぶやいていた。 「やっぱり使えるわねあのパシリ。押しが強いし、口は硬そうだし。 警察官僚とか紹介してくれないかしら。弱味握ってる会社の役員とかでもいいんだけど。 こってり絞り上げても文句言えなさそーなヤツとかさァ。お座敷まで引きずり込んでくれれば、後はどーにでもなるのに。 やーねぇ、本っっ当に、勿体ないことしたわあ、・・・・・・・・ん?あら? そーよ、そーよね、さえ黙っててくれたら、まだまだ存分にこき使えるじゃない!!」 「姐さん・・・それ、鬼だよ。鬼の考えだよそれ」 「まあいいじゃない、たいしたことないわよ。ちょうど向こうも鬼だしさ」 「それはそうだけどさ。いや、そうじゃなくて姐さん」 「・・・?ちょっと。ねえ、どうしたのかしら、あれ」 小菊がの袖を引く。 土方が、パトカーの手前でなぜか突然立ち止まったのだ。 立ち止まると、高級感漂うチョコレートショップの袋から箱をひとつ取り出した。 どうやらあれが、戦利品の限定ショコラらしい。 しかし、すぐ背後で彼の挙動を見守っていた女たちは、次の瞬間うっと息を詰まらせた。 揃って絶句した。目の前の男が、信じられない行動に出たからである。 ショコラの箱を開けた土方は、おもむろに懐から「携帯用マヨネーズ」を取り出し。 そして、ある意味お約束といって良いだろう行動に出た。 よりによって、憧れの高級ショコラに。 何の迷いもためらいも無さそうな無表情顔で、ドプドプと多量のマヨネーズをかけ始めたのだ。 それこそショコラがマヨで溺れるほどに。 溺れかけていたその中のひとつが、彼の手によって救出される。そのまま口へと放り込まれた。 怒りに震える手で、無言の小菊が巾着袋を握りしめる。 一方のはといえば、こちらもまた無言で殺気を発しながら、履いていた草履の片方を手に取った。 の草履が。小菊の巾着袋が。 二人の女の高速ストレートが、息もぴったりに火を噴いた。 『やめんかいィィィィィィ!!!!!』
「 甘い菓子には裏がある 」end text by riliri Caramelization 2009/06/02/ ----------------------------------------------------------------------------------- 次は過去編 元カレその1登場。ある意味逆ハー要員です next