ずくずくと疼く熱いところの入口を、あたしの体温よりうんと熱い銀ちゃんの舌でねっとりと嬲るように舐め上げられる。
尖らせた舌の先がくちゅりと中に潜ると、そのたびに粘液がつうっとこぼれてくるのが自分でもわかる。
何度も何度も、銀ちゃんは丁寧にそこを舐め上げた。舐められるたびにお腹に溜まった疼きが激しくなって、
熱い舌で撫でられているところがひくひくと震えて。うぅ、とあたしはこらえきれずに泣きながら髪を振り乱した。
「や、あ、あつ・・・いぃ。ぎ、・・・ちゃ、の、・・・!」
「ははっ。なにそれ。えろいんだけどその台詞。それさぁ、俺が挿れてからもっかい言ってくんね?」
「〜〜っ、やぁ、やだあぁぁ」
熱い。溶けちゃう。銀ちゃんが舐めているところも、頭の中も溶けちゃう。ぴちゃぴちゃと音を鳴らしながら舐められ続けているうちに、
あたしの中から白く濁った粘液がとぷりと漏れてきて、とろとろと滴り落ちていった。つーっとバスタブの壁を伝って、
お湯と混ざり合って溶けていく。
「あぁ。また出てきた、俺の」
「あ、〜〜〜っ、や、広げちゃ、・・・やぁ、あっ、」
「すげぇ。よくこんなに飲み込めるよなぁ。お前ん中、こんな狭めーのに」
「やぁあっ。し、喋ったら、だめぇ、」
中指と人差し指が割れ目を横に伸ばして、舌や唇がそこをいじめてくる。大きく震えてバスタブから落ちそうに
なった腰を、銀ちゃんがしっかりと抱えてくれた。あたしは自分の脚の間に埋められた、
濡れて癖の弱くなった頭にしがみついて泣きながら喘いだ。
銀ちゃんはぱくりとひらいた唇であたしを覆った。まるで食べられてるみたいだった。
唾液を絡ませてぐちゅぐちゅと音を鳴らして、差し込んだ舌の先で狭い中まで撫で回す。とろとろと溢れてくる蜜を強く吸って、ごくりと喉を鳴らして飲んで。
銀ちゃんが何か喋るたびに熱い吐息や硬い歯が動いて、敏感になってしまった芽を掠めていく。
「銀ちゃぁ・・・!」
「さぁ。男にナカ出しされんの初めてだろ。どうだった。よかった?」
「あ、やぁん、銀ちゃんっ、ぎ、・・・ぎん、ちゃ、」
「ん。もっと呼んで。その声すげぇ可愛い。すげぇ好き」
「ひぅ・・・っ、あ、だめぇ、そこ、だめ・・・っっ!」
やだ。そこはだめなのに。
腫れ上がった芽をざらついた熱にぐにゅぐにゅと捏ね回される。ちぅっ、と吸われる。
ひぁっ、と裏返った声が漏れて、息が詰まる。脚が爪先までぴんと突っ張ってぶるぶる震える。
絞られる感覚が強すぎて目の前が霞んで、もう少しで意識が飛んじゃいそうになった。なのに、銀ちゃんはそこから
舌を離そうとしなくて――
「。俺さー、の中、全部俺で一杯にしてーんだけど。この奥の、うーんと奥まで」
「んっ〜〜〜・・・!」
「さっきよりもっと気持ちよくしてやるから。だからもう一回、・・・なぁ。中でしていい?」
「っ、ぁん、はぁ、・・・っ」
「なぁ。どっち。出していい?だめ?」
――どっちって。どっちって。
そんなのわかんない。銀ちゃんのせいで頭の中がめちゃくちゃで答えられないよ。
ていうか、どうしてそんな恥ずかしいことをあたしに答えさせるの銀ちゃんは・・・!
「あのよー。お前が厭ならもぉしねーよ?また無理にヤって泣かせたくねーし」
いや泣かせたくねーっつーか、俺としては、無理にヤられて泣いてるもかなりそそられるんだけど。
なんてドSの本性もしれっと白状しながら、銀ちゃんの唇は離れていった。
ぐったり肩を落としてはぁはぁ喘いでるあたしのほっぺたを、
お湯に浸かりすぎてふやけてきた両手で包んでくれる。唇に優しく触れて、ちゅ、と短い音を鳴らして離れて。
ぼうっと蕩けた涙目で銀ちゃんを見つめるあたしを苦笑いで眺めて、滅多に聞けない優しくて甘ったるい声でつぶやいた。
「けどよー。が厭ならもぉやんねーよ、絶対、」
「・・・・・・・。銀ちゃん」
「んぁ。何、」
「もしかして。悪かった、とか思ってる?」
「んー。まぁ。・・・・・・・・」
銀ちゃんはあたしの腰に腕を回した。
お腹のあたりに気だるそうな視線を落として、そこへ頭を近づけていった。おへその下にあったかい唇がそうっと触れてくる。
ごめん。
ほんの小さな、失笑したような声がつぶやいた。
優しいキスはあたしの肌を這い上がりながら何度も続いた。胸のふくらみにも。赤く尖った先にも。二の腕にも、鎖骨にも、首筋にも。
大きな手のひらで包んだほっぺたにも、ちゅ、とキスが落ちてくる。最後に頭のてっぺんにも軽く触れると、
銀ちゃんがこつんとおでこをくっつけてくる。ふっと目を細めて笑った顔が色っぽくて、あたしはどぎまぎしながら尋ねてみた。
「ぎ・・・っ。銀、ちゃん、」
「んー?」
「き。今日、の、銀ちゃん。・・・変、・・・っ」
「はぁ?」
「・・・・・なんか、今日、いつもと、ちが、・・・っ」
弾む息をこらえながら口にしたら、銀ちゃんがほんのわずかに眉を寄せて表情を変える。ふっと唇を塞がれて、身体中の酸素を一瞬で奪われてしまいそうな
キスをされた。ざらざらと濡れた感触で撫で回されて、お互いの唾液が混ざり合っていく口の中で、眩暈がしちゃうくらい強く吸われる。
解放されたらのぼせあがった頭がふらふら揺れて、目の前の肩にとんと着地した。
後ろ頭に回ってきたおおきな手が、濡れて冷えてしまった髪を梳きながら撫でてくれる。銀ちゃんの手つき、優しくって気持ちいい。だけど、
――違う。いつもの銀ちゃんの手と、どこか違う。
さっきだって変だった。いつもよりいっぱい痕つけたし。恥ずかしいことも一杯言うけど、言われたあたしが赤面しちゃうような
甘いことも一杯言うし。いっぱい、いろいろ、えっちなことをたくさんしてあたしを気持ちよくしてくれるところは、――
・・・・・・・・・・・・こ、こんなこと言ったら銀ちゃん絶対天狗になるし、恥ずかしいから絶対言いいたくないんだけど、
そこは、ぜんぜん、いつもと同じ。いつもと変わらない銀ちゃんだ。だけど。
・・・何かが違う。何かが変なの。
全身に伝わってくる銀ちゃんの熱が、いつもと違う。銀ちゃんを受け止めるあたしの身体が、何かが違うって言ってる。
「そりゃあ興奮してっからじゃねーの」
「・・・っ!?」
「お前が可愛いとこばっか見せつけてくっからだろ。そーいうの見てっと自然こっちも抑えられなくなるだろーが」
うっすらと笑いながら動いていた唇が、すっ、とあたしに重なってくる。ちゅっ、と遊ぶみたいに啄ばまれた。
顔を離して視線をしっかり合わせると、銀ちゃんは「そんなん当然だろ」って顔をして言い切った。
「あのな。俺はお前と違って媚薬とかいらねーの。んなもん使わなくたって、いつでもを抱きてーんだからよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っっ、
「あれっ。んだよ今度は言わねーの?お前が得意なあれ。「しねばいーのに!」ってあれ、言わねーの?」
「〜〜〜っっ。は。ははは、恥ずかしすぎて声も出ないのっっっ!」
「いやいや、そんだけでけー声で叫んどいて声出ねーはねーだろ。てかお前、案外元気なのな」
「・・・っ」
「さっきは今にも失神しそーな色っぺー顔してたじゃん。
まぁ、あーいう死にそうな面されっとこっちは逆にめきめき元気になっちまうんだけどぉ」
「・・・・・・・・・・・っ。う。・・・・・うれし、い・・・?」
「へ?」
「あたしが。今日。・・・いっぱい。さ、・・・せてあげたら。銀ちゃん。・・・・・・・・うれしい?」
しどろもどろなちいさな声で。どきどきと胸を高鳴らせながら。
あたしの精一杯の気持ちを、精一杯に恥ずかしさを我慢しながら銀ちゃんに伝えた。
半開きになっていた銀ちゃんの唇が息を呑む。困ったように眉が下がって、それから、ははっ、と目を細めて、可笑しそうに笑って。
「ん。すっげぇ嬉しい」
、大好き。
言いながらあたしの身体を引き締まった腕で包む。お尻がバスタブの縁からつるりと落ちて、あったかいお風呂にぽちゃんと沈められて、
――ぎゅうっ。
きつく抱きしめられたら、それだけで背中にぞくぞくと快感が走った。銀ちゃんの首にすがりついて、
身体を押しつけてありったけの力で抱きつく。はぁ…、とうわずった響きの溜め息が口からもれた。
うん。やっぱり黙っておこう。銀ちゃんが言った恥ずかしすぎる言葉が、実は、心臓がきゅうっと締めつけられて潰れちゃうんじゃ
ないかってくらい嬉しかった、とか。お腹の奥がかあっと火照って、ずくずく疼いてちょっと困った、とか。
ほんとはちょっとだけ泣きそうになってたから、わざと声を張り上げてみた、とか。
・・・なんてことは絶対に、絶対にないしょだ。
調子に乗った銀ちゃんに、またあの薬を飲まされちゃうかもしれないもん。
あたしの背中とお尻のところを抱きしめると、銀ちゃんはそのまま立ち上がった。
お風呂のお湯をざざーっと滴らせながら、身体がバスタブから掬い上げられる。
何をさせられるんだろう、とどきどきしていたら、洗い場に降ろされて膝立ちの姿勢を取らされて。
シャワーが横に付いている大きな鏡に手を突かされて、あと少しで顔が鏡にくっついちゃいそうな、前屈みな恰好にされる。
え。やだ。これ。
どきっとして振り返ろうとした瞬間に、両手で腰を掴まれた。ぐん、とお尻を後ろに突き出すようなポーズにされて、
そこへ銀ちゃんが熱く滾った硬さをずぶりと埋め込んできて――
「あ――・・・っ!」
銀ちゃんが入ってくる。あたしの中、いっぱいに広げられていく。ぶわっと湧いた涙で目の前が揺れてる。
鏡に映った銀ちゃんの顔が――泣いてるあたしを抱きしめて唇を噛みしめてる顔がぼんやり滲んで揺れてみえる。
もうだめ。太腿に力が入らない。自分の重みを支えきれなくって、お尻までぶるぶる震えてる。
うんと奥まで入り込んでくる銀ちゃんの重みが、ずしりとお腹に響いてくる。くるしい。すごく熱い。ああ、でも、
「〜〜〜ふ、・・・・は、ぅ、・・・ぎ、ぎん、ちゃ」
「、苦しくねぇ?」
「・・・ぅ、んっ、」
「ん。じゃあ、もっと見せて。のすっげぇ可愛いとこ」
「え、あ、あ、―――ぁあっ、ぎ・・・!」
死んじゃう。
抱きしめられた腕の中で泣きじゃくって叫ぶ。耳のところに顔を寄せてきた銀ちゃんは、水滴が伝う鏡に映ったあたしの泣き顔を
とろりと濡れた目で見つめてる。銀ちゃん、と掠れた声で呼んだら、すごく嬉しそうに笑って耳にキスしてくれた。
銀ちゃんの熱いものが奥を責めてくる。頭がおかしくなっちゃいそうなくらいに
中を擦られて、激しく打ちつけられるうちに、銀ちゃんの熱はもっと大きく膨らんで、もっと硬くなっていく。
お腹を突き上げられるたびに生まれる、強すぎる快感の逃げ場がどこにもない。
眩暈がしそう。もう止められない。もう何もわからない。
後ろからの荒い息遣いで首筋がぞくぞくと震える。
後ろからの大きな動きに、――少しずつ早くなっていく銀ちゃんの動きに、前後に大きく揺らされる。
突かれるたびにぐちゅりとこぼれる熱いしずくが、つうっと太腿まで流れてくる。銀ちゃんはそれをあたしのお腹や胸まで撫でつけながら、
汗の滴り落ちる顔をなんだか苦しそうに歪める。それから泣き声を我慢して唇を噛みしめてるあたしを眺めて、にんまりと目を細めた。
「ね。や、やだぁ、これ、くる、し・・・っ」
「お前さぁ。やだとか言っといて、ほんとは口で言うほど厭じゃねぇだろ?」
「・・・っ、そ、そんな、ん、じゃ、――っ!」
んあぁっ、とおかしな悲鳴が喉を突いた。
あたしが熱いしずくを滴らせているところに、銀ちゃんの硬い指が触れてくる。
ぬるぬると粘るその流れを小さく膨らんだあそこに擦りつけて、くるくると人差し指の先で回す。
中指が銀ちゃんを咥えて張りつめている入口をなぞる。何度も意地悪くそこを撫でるから、あたしの中はびくびくと痙攣して
熱いものをたらたらと吐き出してしまう。
「ひぅ、んっ」
「こんなに垂らして喜んでんじゃん。ひくひくしてとろとろで、すっげぇ気持ちよさそうなんだけど」
「〜〜〜ふぇえっ。やぁっ。ぎ、ちゃ、やら、ぁ、やめ、〜〜〜っ」
「恥ずかしがることねーのに。・・・あーあぁ、っとに可愛いよなぁは」
「あ、あ、ぃ、ぁあっ、銀ちゃん、銀ちゃんっ」
「っ、何これぇ。・・・っ、あぁ、やっべえ。たまんねぇ・・・」
銀ちゃんの腰の動きが激しくなる。あそこを苛めてる指の動きが速くなる。
燃えそうに充血したあのちいさな膨らみを、指を全部使ってぐちゃぐちゃに揉まれる。
途端に力が入らなくなった膝ががくがくと震える。あそこから全身へぶるぶると、大きな震えが駆け廻っていって――
「ぃ!ぁ、はぁ、んっ。ぎ、銀ちゃ・・・!」
「ん、、イって。さっきみてーなやらしい顔、俺に見せて」
「や、やめっ、〜〜っっ、そ、れ、や、あ、い、っちゃ、・・・あ、あ、あぁ――っ!」
腫れ上がった膨らみをきゅうっと潰されて、痺れきった頭の中が真っ白になる。両手を突いている目の前の鏡に、あたしの歪んだ顔が映ってる。
かあっとのぼせあがったほっぺたは真っ赤で、だらしなく喘いでる唇がすごく物欲しそう。
やだ、銀ちゃん、見ないで。ぎゅっと目をつぶったら、溢れた涙がぽろぽろとほっぺたを転がる。
あ、あ、あ、あぁっ、と途切れ途切れな甲高い声を上げたら、爪先までぴんと張り詰めていた下半身が、一気に脱力して洗い場に崩れた。
「あーあぁちゃぁん。っなにきゅうきゅうされたら銀さんすぐ持ってかれるって。一遍突いたら一気に出ちまうって」
「〜〜〜っ、っく、・・・・ふ、ぇ、っっ、」
「お前さぁ、っとにやらしい身体になったよなぁ・・・」
あたしを抱きとめた銀ちゃんは、はぁ、はぁ、と苦しそうに息を切らしながらずずっと腰を引いた。
一杯だったあたしの中から、張りつめている重たいものが、ずるっ、と半分くらい滑り出る。
すぐに、じゅぷっ、と深めに押し込まれて、一杯にされたお腹の奥が苦しくなる。
先の引っかかるところで壁を探られて、探られるうちに銀ちゃんが腰を抱きしめてきて、
ぬるぬると溢れる熱いものをあたしの中から掻き出しながら、一か所だけを強めに擦られるようになった。
あたしが一番訳がわからなくなっちゃうところ。固い先でそこを掻きながら、ずっ、ずっ、と往復される。
何度も、何度も、ゆっくりと――
「や、あ、だめ、そ、んな、した、ら、ぁ、また、あぁんっ」
「ほらここぉ、掴まって。まだ気絶すんのナシな」
「やぁ、も、死んじゃ・・・っ」
「ん。ごめんな。いい子だからもぉ少し頑張って。のここから溢れちまうくれー、たっぷり出してやるから――」
ぜんぶ飲んで。
ぼうっとした響きの甘ったるい声が耳を埋める。もう一度鏡に手を突かされる。
銀ちゃんが一番奥までどっと滑り込んできて、ぐっ、ぐっ、ぐっ、と深いところを抉られるようになった。
、と苦しそうに呼んだ唇がぴとりとうなじに吸いついてくる。かりっ、と軽く肌を噛んだ。
打ち込まれる響きが重くなる。ずんっ、ずんっと激しく腰をぶつけられる衝撃でどうしようもなく奥が疼く。
「っあ、ああっ、銀ちゃ、も、だめぇ、銀ちゃぁあんっ、〜〜ぁあっ、」
がくがくと震える脚が洗い場に倒れそうになるのを必死でこらえながら、涙声で叫んだ。
はぁっ、と荒い息を吐いた銀ちゃんが、あたしのお尻を鷲掴みにする。強い力で抑えられた腰は逃げたくても逃げられなくなる。
しずくの流れる鏡に胸や顔を押しつけられる。すごく冷たい。あぁっ、と思わず悲鳴が漏れた。背後では熱い身体が壁になってる。
鏡と銀ちゃんに挟まれて動けないあたしは、頭がおかしくなりそうなくらいに何度も下から突き上げられる。上下に揺さぶられながら泣きじゃくった。
ずぷ、ずちゅ。
耳にねっとり絡みつく粘った水音が、湯気で曇ったお風呂いっぱいに反響する。
どっっ、と大きな動きで腰をぶつけられて、張りつめた銀ちゃんがあたしの奥に達した。
「んんっ、―――っっ!」
全身に廻った快感が強すぎて声も出ない。銀ちゃんの、あっつい。苦しそうにはりつめてびくびくって疼いてる。背中に感じる心臓の鼓動と同じ速さで脈打ってる。
今にも破裂しそうなその感触と、燃えるような熱さがどうしようもなく気持ちよくって、
きゅうぅっと痺れたあの中が甘い感覚で絞られていって。
「・・・っ、あぁ。イく。。っ――」
「っ、あぁ、あぁんっ、・・・〜〜〜〜〜っ!!」
引き締まった両腕に力ずくで胸とお腹を抱きしめられて、背中に押しつけられていた唇が、っっ、と強く息を詰める。
銀ちゃんを飲み込んでるあたしの中に、どくどくと熱が注がれていく。
お腹を痺れさせる潤んだ感触と、身体中がふわふわしちゃうような昂揚感が、腰や太腿をぶるぶるとせつなく震わせて。
膝からがくりと力が抜けて泣きながら鏡に倒れ込んだら、あの中を埋めていた熱くて重たいものがずるりと中を擦って抜け出ていった。
お腹を抱きしめていた腕にぐいっと引かれる。
身体を軽く持ち上げられて、組んだ脚の中に座らされて。
「おーい。ちゃーん。大丈夫かぁ。生きてる?」
「・・・っ。ふえぇ、・・・銀ちゃ、・・・っ」
「んー、えらいえらい。にしては頑張ったじゃん」
向きを変えられて横抱きにされて、冷たくなった銀色の頭を火照りきったほっぺたに押しつけられる。
はぁはぁ息が弾んで苦しいし、妙に上機嫌な銀ちゃんにほっぺたをぐりぐりされても、頭を抱きしめられて髪をくしゃくしゃにされても、ちっとも抵抗できなかった。
もうだめ。腰がぬけちゃってる。叫びすぎたせいで喉がからから。手と足は貧血を起こしたみたいにぐったり脱力したままだ。
なのに――あたしがこんなに死にそうになってるのに、銀ちゃんはほんの少し息を弾ませてるだけ。
汗とお湯が混じり合って濡れた肩と腕があたしをがしっと抱きしめてる。くったりと胸に頭を預けたら、
こっちを見下ろした銀ちゃんが気抜けした顔でへらへらあっと笑った。えっちなことをする前とまったく同じ、飄々とした顔だった。
・・・なんで。なんでこんなに壮絶に元気なの、こーいうときの銀ちゃんて!!
「なぁ。気持ちよかった?」
ちゅ、と唇にキスを落とされてからそう訊かれた。訊かれただけなのに、
たったそれだけで銀ちゃんにいっぱい流し込まれたお腹の中がきゅううっと疼く。
こらえきれなくって太腿まで締まってくるからすごく困る。なのに、銀ちゃんに文句を言いたくなるような気分にはならない。
・・・変なの。変だ、あたし。
身体はすごく疲れてるし、まだ薬に操られてるみたいで落ち着かない。
だけどそれでも、今も腰の奥を温めている潤んだ感覚がすごく嬉しい。どうしてこんなに幸せな、あったかい気分になってるんだろう。
――そんなことを思いながら自分のお腹をそっと撫でた。はっきり応えるのは恥ずかしかったから、
ほんの一瞬だけ銀ちゃんと目を合わせて、すぐにうつむいてこくんと頷く。なのに銀ちゃんときたら
あっというまにあたしを抱っこしたまま立ち上がって、緩みきった表情でにたーっと目を細めて、
「じゃあ風呂ん中でもう一回な」
「―――っ!む、無理ぃっ」
「あー悪い俺も無理。もう勃ってきちまったし。・・・なぁんか今日、ぜんっぜん我慢できねーし」
「〜〜〜〜っ。し。しねばいーのに!死ねばいーのにぃぃぃ!!!」
嘘つけって。死んだらべっそべそ泣くくせに。
得意げに言ったとぼけた顔で、今にも泣きそうなあたしの唇を温かく塞いだ。